神々の塔
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第五十五話 食事その五
「そうしてな」
「また食べようね」
「そうしよな」
「いや、冷凍してな」
メルヴィルはそのうえでと茸を食べつつ言った、茸も山菜も数種類ずつある。
「然るべき場所に置けば」
「何時でも食べられるね」
「有り難いことにな」
「そのことも嬉しいね」
「特に豚肉もやが」
メルヴィルは猪を家畜化したこの生きものも含めて羅に話した。
「猪は虫もな」
「怖いし」
「寄生虫がな、そやから」
「よく火を通すか」
「冷凍させてな」
そうしてというのだ。
「食うことやな」
「ああ、そして実際にな」
「わし等はそうしてるわ」
「そやな」
「猪一頭倒して」
そうしてというのだ。
「お肉全部無駄なく食おうと思ったら」
「十人で一度は食いきれんからな」
「それでな」
その為にというのだ。
「冷凍して袋に入れられたらな」
「有り難いわ」
羅はまさにと言い切った。
「ほんまにな」
「そやな」
「ああ、ほな明日の朝はまた牡丹鍋で」
それを食べてというのだ。
「お味噌汁の残りでおじやになるな」
「おじや、雑炊やな」
羅は真剣な顔になって述べた。
「お鍋の後の」
「〆でやるな」
「あれがまた美味い」
「そこまで食ってな」
そうしてというのだ。
「そしてな」
「そのうえでやな」
「明日をはじめるんや」
「美味いもん食って栄養補給して」
「身体も温めてな」
そのうえでというのだ。
「冒険をはじめるんや」
「そうなるな」
「そや、おじやまで食ってな」
そこまでしてというのだ。
「明日はやっていこな」
「おじやな」
トウェインは鍋の最後のそれの話もした。
「そこまで食ってこそのお鍋でそれに」
「それに。何や」
羅はトウェインに心臓の部分を食べつつ尋ねた。
「あるか」
「ああ、真の日本食の通やろな」
「お鍋のおじやまで食うてか」
「そうや、すき焼きやお寿司だけやなくてな」
「そうしたもんははじまりやな」
「そこから色々食うてな」
そうしていってというのだ。
「そしてな」
「そのうえでか」
「お鍋も食って」
「その最後のおじやも食ってやな」
「真の日本食の通や」
「そうやっていうんやな」
「牡丹鍋だけやなくてな」
今自分達が食べているそれだけではないとだ、トウェインは猪の心臓の味をさらに楽しみながら言うのだった。
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