ハッピークローバー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百十五話 運動会の準備その十一
「そのうえでね」
「生徒に暴力振るって」
「のうのうとね」
「暮らしているのね」
「成敗される先生はいても」
「悪が栄えた試しなしで」
「それが遅れている先生もね」
まだ成敗されていないというのだ。
「いるから」
「それが遅れてるのね」
「正義は来るよ」
それは絶対とだ、伊東は言い切った。
「絶対に、ただ遅刻はね」
「するわよね、どうも」
「うん、最後の最後まで来ないことも」
正義はというのだ。
「結構ね」
「あるわよね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「それまでね」
「やりたい放題やるのね、悪い奴が」
「その先生みたいにね、しかし聞けば聞く程ね」
苦い顔でだ、伊東は隣にいる留奈に話した。
「とんでもない先生だね」
「人を人と思わない感じよね」
「そんな先生が存在していると思うと」
「洒落になってないわよね」
「ヤクザ屋さんとしか」
その様にというのだ。
「仕事言わないと思うよ」
「滅茶苦茶過ぎて」
「そもそも生徒に突きをして」
中学生相手にだ、まだ体格が出来ていないので禁止されているそれを体格が出来ている教師が行ったのだ。
「しかもリンチ技で試合には使えない」
「使ったらどうなるの?」
「反則負けもあるの」
「そんな技なの」
「こうして下から上に突き上げるね」
伊東は動きもしてみせて話した、剣道の構えで思いきり下から上に斜めに動かしてみせたのである。
「シャベル突きっていうけれど」
「試合でやったら反則負けもあるの」
「リンチ技だよ、これ」
「リンチって」
「そう、稽古でも何でもないね」
「虐待用の技なのね」
「まともな人は絶対に使わないし」
そうした技でというのだ。
「うちの部活じゃ絶対にやるなって禁止されてるよ」
「リンチ技だから」
「そう、正規の技じゃないから」
「そうなのね」
「それをされて突きの跡があったのに」
虐待の動かぬ証拠がだ。
「問題にならないのが凄いね」
「親御さん何も言わなかったのかしら」
「あれじゃないかな、叱られたと思って」
留奈に考え首を傾げさせつつ話した。
「先生様にね」
「ああ、先生イコール正しいってね」
「そう思う人だっていて」
「親御さんがそうで」
「それに中学の時ってまだわからないよね」
留奈にこうも話した。
ページ上へ戻る