金木犀の許嫁
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第二話 相手から来たその九
「ネットの通販で買って」
「そうですか」
「お姉ちゃんが結構変わったもの食べるの好きで」
それでというのだ。
「お父さんとお母さんに提案したら二人共面白そうだって言って」
「ネットで買ってですか」
「特に高くなかったし」
経済的な問題も大きくなかったというのだ。
「それでね」
「調理されて」
「どっちも唐揚げにしたのよ」
「蛙も鰐もですね」
「美味しかったわ」
白華に素直に述べた。
「どっちもね」
「そうですよね、蛙美味しいですよね」
「そうだったわ」
「実は蛇もです」
「そうらしいわね」
夜空は今度も否定しなかった。
「蛙とか鰐は鶏肉みたいな味だったけれど」
「蛇もです」
「そうした味で」
「小骨は多いですが」
それでもというのだ。
「美味しいですよ」
「そうよね」
「こうしたものとか鹿とか熊も食べます」
「野生の生きものも」
「どれも美味しいです、基本美味しくないものはです」
何でも食べてもというのだ。
「食べないです、問題は的確に調理して」
「食べることね」
「虫でもです」
「ちゃんと火を通して」
「そして毒のあるものはです」
白華は確かな声で話した。
「食べないことです」
「それが大事ね」
「そうした知識を備えて」
そしてというのだ。
「どんな時も食べられる様にです」
「修行することね」
「そうなんです、大事なことは」
「そういうことね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「食わず嫌いはない様に」
このことはというのだ。
「そうする修行でもあります」
「どんな時でもの一環ね」
「はい、それでなんです」
「白華ちゃん何でも食べられて」
「兄さんもです」
彼もというのだ。
「そうです」
「そうなのね」
「ですから」
それでというのだ。
「何でも作って下さい」
「食材はいいのね」
「そうです、ただ同居される真昼さんは」
「興味を持ったらね」
そうすればというのだ。
「それこそね」
「何でも食べたくなるんですね」
「見たくなってやってみたくなるのよ」
「そうした人ですか」
「突拍子もないところもあるのよ」
自分の姉のことをこう話した。
「だからね」
「何でも食べたがりますか」
「そうなのよ」
「じゃあ鯰も食べますね」
白華はこの魚もと言った。
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