| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百十三話 野球の世界は広いその十二

「選手がそれぞれ買って」
「おかずをなのね」
「食べてるらしいよ」
「それは凄いわね」
「それでシーズンオフになったら」
 その時はというと。
「生活の為にアルバイトしてるそうだよ」
「選手の人達は」
「キャンプ場はドームで」
 本拠地の東京ドームだというのだ。
「そこ行くお金もないから」
「物凄いわね」
「だから本当にね」
「北朝鮮そっくりね」
「あそこはね」
「そうした状況ね」
「もうああなったら」
 それこそというのだ。
「親会社代わらないと」
「最下位のままね」
「それで最下位であったら」
 巨人がというのだ。
「こんないいことはないよ」
「そうね、それにしても野球もね」
 一華は達川とここまで話してあらためて思った。
「広いわね」
「その世界はね」
「色々な国で楽しまれていて」
「世界的にね、今では」
「プロ野球だけじゃないのね」
「そうだよ、巨人ばかりを見ても」
 そうしてもというのだ。
「野球はわからないし面白くもね」
「ないわね」
「今の巨人は観ていて確かに楽しいよ」
 このことは事実だというのだ。
「だっていつも格好悪いことしてね」
「無様に負けてるから」
「物凄く楽しいよ」
「嫌な奴が格好悪く負けるから」
「そうだけれどね」
「けれど巨人だけじゃない」
「巨人は広い球界の小さなゴミだよ」
 それに過ぎないというのだ。
「所詮ね」
「だから野球全体を観る」
「俺はそうしているんだ」
「そうなのね」
「そして」
 さらに言うのだった。
「阪神も結局はね」
「野球の一部ね」
「そうなるよ、けれどね」
「阪神は違うわね」
「華があるからね」
「何があってもね」
「勝っても負けても」
 どうであってもというのだ。
「華があってね」
「絵になるわよね」
「不思議とね」
「阪神はそうよね」
「どんな勝ち方でもどんな負け方でも」
「絵になるのよね」
「そこに華があってね」
 それでというのだ。
「いいんだよ」
「そうしたチームよね」
「他にないんじゃないかな」
「阪神みたいなチームは」
「そう思うよ」
「そうよね」
 一華も否定しなかった。
「他にはね」
「思い当たらないよね」
「そうしたチームって」
「それで私も好きなのね」
「そうだと思うよ、俺も」
「それでそうしたチームがあることも」
 このこと自体もというのだ。
「野球の広さね」
「そうだね」
「そうなるわね、じゃあ阪神のことを読んで」
 そしてと言うのだった。
「他の雑誌も読んで」
「野球の広さ知るわ」
 こう言ってだった。
 一華は達川と共に昼休みの間野球の雑誌を読んでいった、するとそれだけで野球の広さがわかったのだった。


第百十三話   完


                   2023・12・8 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧