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星河の覇皇

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第八十五部第五章 北京宣言その十七

「各国の防衛はね」
「やはり各国軍が行う」
「これは当然のことですね」
「連合各国の間に交戦権はないですが」
 これは連合内部での軍事衝突そしてそこから生じる戦争を避ける為だ。どの国軍も他国の領内への侵入も攻撃も許されていない。勿論艦艇や施設へのそれもだ。
「それでもですね」
「その中の治安維持や宇宙海賊への征伐はです」
「各国軍の管轄です」
「それは法律で定められています」
「中央政府軍への要請は出来るけれど」
 伊東は難しい顔で話した。
「それでもね」
「我々としては」
「どうしてもですね」
「日本は日本軍が守る」
「そうしないとならないですね」
「ええ、そしてそれに軍の規模が小さいなら」
 それならというのだ。
「中央政府に認めてもらうわ」
「その国軍の拡大を」
「それをですね」
「認めてもらう」
「そうなりますね」
「ええ、ただね」
 伊東はこうも言った。
「中央政府はそう簡単に認めないから」
「そのことはですね」
「だからこそですね」
「激しい応酬になりますね」
「中央政府とのそれは」
「確実にね、けれど何としてもね」
 国家の防衛という国益の為にというのだ。
「勝ち取るわよ」
「はい、それでは」
「その様に成る様にしましょう」
「我々は」
「そういうことでね」
 伊東はスタッフ達に述べた、そうしてだった。
 次の日は各国首脳と宣言前の最後の意見調整に入った、皆中国の大統領官邸にある議事堂化と思うまでの巨大な会議室に入った。
 そこで会議をしてだった。
 ルワンダの首相コル=コサカ、アフリカ系の初老の女性がこう言った。ルワンダでは父の地盤を受け継ぎ初当選から内政に関する優れた法案を次々と出し成立させたことで知られる話津湾かだ。アフリカ系だが髪の毛は茶色く顔にはアジア系の血も感じられる。
 その彼女が難しい顔でこう言った。
「各国軍の規模の倍増が中心ですが」
「そうですね」
 李が議長として応えた。
「今回の宣言は」
「各国の権利と権限の確かな保証に加えて」
「国軍のこともです」
「そうですね、ですが」
「このことは、ですか」
「兵器については」
 コサカは述べた。
「ここに書かれている通りに」
「はい、これからはです」
「連合軍の最新兵器をですか」
「共に使っていくことをです」
 中央政府軍のそれをだ。
「中央政府に認めてもらうのです」
「これまでとは違い」
「これまでは型落ちの」
「旧式の兵器でしたね」
「各国軍が使用していたのは」
 所謂ロートルの兵器ばかりであった、中央政府軍が最新兵器を使い各国軍はそうした兵器を使用していたのだ。 
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