星河の覇皇
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八十五部第五章 北京宣言その十一
「本末転倒よ」
「そうなっては駄目ですね」
「我々としては」
「政治家や官僚として失格ですね」
「それで国益を得られなくては」
「勿論目先の利益に惑わされては駄目だけれど」
国益を求めてもというのだ。
「それでもね」
「国益は長期的に見るもの」
「それも広く」
「それに従うとですね」
「原則もですね」
「時としては置いておいていいのよ、ただ」
伊東はこうも言った。
「置くのよ」
「そこが大事なのですか」
「置くことが」
「それが大事とは」
「首相、どういうことでしょうか」
「忘れては駄目ということよ」
そういうことだというのだ。
「つまりはね」
「忘れては、ですか」
「原則を忘れてはいけない」
「そういうことなのですね」
「つまりは」
「そうよ、原則を忘れてはね」
それはそれでというのだ。
「本末転倒よ、政治家としても政党として」
「だから置くのですか」
「忘れるのではなく」
「そうするのですか」
「そうよ、国益を求めることは至上命題よ」
政治家そして官僚にとってだ、兎角伊藤はこのことは絶対だという考えだ。このことは変わらないことだ。
その為に政党の原則も時として置く、だがそれでもというのだ。
「それで時として原則を置くけれど」
「忘れないのですね」
「基本はその原則に沿って動く」
「そうすべきですか」
「そうよ、集権派は日本の中では外交は中央政府寄りで」
それでというのだ。
「内政についてはね」
「はい、開拓よりも再開発です」
「そちらに重点を置いています」
「どちらかというと都市です」
「そちらを主に置いていますが」
「それも基本でね」
原則だというのだ。
「開拓もしているわね」
「農村もおろそかにしていません」
「当然農業も」
「農業も漁業も忘れていません」
「そして林業も」
「都市を中心に考えていてもね、そしてね」
伊東はさらに話した。
「外交に話を戻すけれど」
「中央政府寄りでも」
「今回の様なこともありますね」
「中央政府に対する」
「そうしたことも」
「当然としてね」
それでというのだ。
「やっていくわよ」
「わかりました」
「それではですね」
「宣言のこともですね」
「これより」
「ええ、いよいよね」
まさにというのだ。
ページ上へ戻る