神々の塔
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第五十三話 半ばを過ぎてその一
第五十三話 半ばを過ぎて
スラブの神々との戦に勝つとだ、一行はそのうちの一柱であるペルーンに対して豪快に笑って言われた。
「よくやった、ではな」
「先にですね」
「進め、もうそろそろだ」
神霊は羅に話した。
「塔も半ばだ」
「そうですか」
「確かに高い塔だ」
このことは事実だというのだ。
「地下世界から天高くまで届いている」
「天界まで」
「それだけにな」
「相当高いですね」
「何万階もある」
その高さはというのだ。
「そのことは事実だ、しかし」
「進んでいくとですか」
「どんなものでも終わりがありな」
「この塔もですね」
「最後にはな」
何万階も進めばというのだ。
「遂にはだ」
「頂上に辿り着けますね」
「そして今はな」
今現在の彼等の状況も話した。
「半ば位だ」
「この塔の」
「その頃だ」
「そうですか」
「まだ半分かもう半分かと考えるかはな」
それはというと。
「お主達次第だが」
「兎に角半分ですね」
「それに至った」
そうだというのだ。
「そうなればな」
「その半分をですね」
「進のだ」
そうせよというのだ。
「いいな」
「わかりました」
羅はそれならと応えた。
「そうさせてもらいます」
「その様にな」
「何でも終わりがあるってことは」
施も言った。
「忘れたらあきませんね」
「左様、終わりのないものなぞない」
「どんなものでも」
「この塔も然りだ、多くの神霊達が言っておると思うが」
「事実ですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「ではあと半分をな」
「これからでしうね」
「進むのだ」
是非にというのだった。
「いいな」
「そうしていきます」
「ならよい、諦めないならな」
それならというのだ。
「きっとだ」
「踏破出来ますね」
「どうしてもせねばならないことは諦めない」
ペルーンは言った。
「そうすることは最大の力だ」
「そうですか」
「しなくていいことは諦めることだが」
それでもというのだ。
「やはりな」
「やらなあかんことはですね」
「成し遂げるまでな」
まさにその時までというのだ。
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