夢幻水滸伝
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第三百三十一話 牽制の為の進軍その十四
「戦は確かに数でもな」
「戦力としては頼りにならへんです」
「どんだけ犠牲が出るかわからん」
「そうですね」
「これナチスのやったけどな」
戦争末期に行った、ヒトラー=ユーゲントを戦場に送ったのだ。
「ソ連もナチスもな」
「余計に損害を出しました」
「ソ連は勝ったけどな」
ナチス=ドイツは敗れてだ。
「洒落にならん戦死者が出たわ」
「戦場に出た世代の数が極端に減りましたね」
戦士が原因であることは言うまでもない。
「そして戦後に影響が出ましたね」
「その世代、働き手の男の人がめっちゃ少なくてな」
「国土の荒廃もあって」
「大変なことになったわ」
「そうでしたね」
「そやからな」
その様な歴史があったからだというのだ。
「そうしたことはせん」
「そうですね」
「ましておいら達は星のモンや」
ホイットマンはこのことも話した。
「この世界を救う為におる」
「この世界では」
「そやからな」
そうした者達だからだというのだ。
「そんな非道なことはや」
「せんことですね」
「戦は非道なもんにしてもな」
これもまた現実である、戦とはそうしたものなのだ。
「そやけどな」
「そこにはルールがあるわ」
スタインベックはその眼を鋭くさせて話した。
「何でもありやない」
「何でもありでもな」
「それをやったら終わりや」
「世界を救えるだけのモンがなくなるわ」
「心の問題でな」
「何かをするにはそれに相応しい力と心が必要や」
ホイットマンは強い顔と声で話した。
「それでや」
「その心がなくなるわ」
「勝てばええんやない」
「その勝ち方が問題や」
「おいら達は世界を救うなら」
「非道なことはせんな」
「したらあかん、それでな」
それ故にというのだ。
「軍だけでな」
「戦うな」
「民を巻き込まんで、それでその軍の数がちゃうさかいな」
「もうあれこれ言ってられんな」
「そや」
まさにというのだ。
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