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X ーthe another storyー

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第五十二話 祝宴その八

「それならね」
「いいですか」
「だからね」 
 それでというのだ。
「これからもお願いね」
「それでは」
「そしてね」 
 さらに言うのだった。
「私もね」
「これからもですね」
「都庁で働きながら」
 そのうえでというのだ。
「皆と一緒にね」
「やっていきますか」
「そうしていくわ、それで時々でも姉さんと会うわ」
 このことも言うのだった。
「夢の中だけでなくて」
「起きてもですか」
「議事堂に行って」
 そうもしてというのだ。
「そしてね」
「会いますか」
「そうするわ、そして」
 そのうえでというのだ。
「姉さんの孤独を癒すわ」
「夢見としてそうであっても」
「これからはね」
「いいことだよ」
 ここでだった、暫く地の龍達の中にあっても沈黙を守っていた牙暁が言ってきた。いつも通り静かな口調と表情である。
「これからは皆ね」
「そうしていけばいいわね」
「もう戦うことはないんだ」
 全くというのだ。
「僕達は」
「天の龍と地の龍はね」
「それぞれの立場からね」
「世界を護っていくよ」
「人間と地球をね」
「そうなるわね」
 庚は牙暁のその言葉に応えた。
「では貴方も」
「何かね」
 ここでだった、庚は牙暁に顔を向けて彼に告げた。
「貴方も運命が変わった中で」
「それでだね」
「貴方の運命もね」
「変わるんだ」
「実は今朝貴方の傍にいつもいるお医者さんから言われたわ」
「何てかな」
「貴方は間もなく目覚めるわ」
 そうなるというのだ。
「そう言われたわ」
「僕が目覚める」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「そうなってね」
「起きた世界で過ごせるんだね」
「そうなるわ」
「夢みたいだよ」
 そう言われてだ、牙暁は。
 目を開けて微かに微笑んでだ、こう言った。
「まさか僕が起きられて」
「起きた世界で暮らせるとは思わなかったわね」
「全くね。けれど」
「それがよ」
「そうなるんだ」
「間もなくね」
 そうなるというのだ。
「だから楽しみにしていてね」
「その時が来ることを」
「そしてね」
 さらにだ、庚は牙暁に話した。 
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