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星河の覇皇

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第八十五部第五章 北京宣言その五

「決してね」
「人材がいない訳ではないですね」
「むしろ結構な人材がいますね」
「左様ですね」
「野党にしても」
「伊達にこの千年の間数多く政権を担っていないわ」
 そうだというのだ。
「この五十年でも何度もよね」
「そうですね」
「与党を担った経験があり」
「政治がわかっている」
「野党にしてもそうですね」
「民主政治は非常に難しいわ」
 伊東はこの真実も述べた。
「一つの政権を担える政党にね」
「もう一つ必要ですね」
「政権を担える政党が」
「与党と野党をそれぞれ担える政党が複数必要ですね」
「左様ですね」
「そうした政党を一つ築くことも難しいけれど」
 それでもというのだ。
「もう一つ築くことはね」
「さらに難しいですね」
「もう一つとなると」
「そうなのですね」
「与党から見て確かな野党を築くことは難しいわ」
 非常に、そうした言葉だった。
「本当にね」
「それは歴史が証明していますね」
「実際にそうでしたね」
「我が国もそうでした」
「そうした政党を二つ持つことに苦労しました」
「戦後七十年以上かかりました」
「第二次世界大戦からね、戦前はあったけれど」
 立憲政友会等である、戦前の日本の民主主義は色々制約はあったにしても確かにそうした政権をまともに担える政党が複数存在していた。
「戦後はね」
「違いましたね」
「長い間そうした政党は一つだけでした」
「保守系の政党だけでした」
「もう一方に革新系の政党がありましたが」
「その政党はどれも無能だったわ」
 伊東は一言で述べた。
「それも極めてね」
「反対と言いがかりばかりで」
「騒ぐだけで」
「いざ政権を担うと無能な姿を晒していました」
「どうしようもありませんでした」
「そして政権を担える政党が複数存在することに長い時間がかかったわ」
 それこそ四分の三世紀以上にだ。
「非常にね」
「マスコミはその革新系の政党べったりでしたし」
「彼等に都合の悪い話は報道しないことすらしました」
「そうした状況でしたので」
「どうしてもですね」
「健全な政党は複数とはならず」
 そしてというのだ。
「日本の政治はその分質が悪かったわ」
「そうでしたね」
「確かな政党が複数なければです」
「政策とその議論も発展しません」
「高いレベル者同士のそれでないと」
「一方があまりにも低レベルでは」
 伊東の周りの者達も述べた。
「どうにもなりません」
「健全な政策への議論は期待出来ず」
「そして政策は昇華しにくいです」
「一つの政党の中だけの議論では」
「どうしても」
「何でも反対と言いがかりばかりではね」
 伊東は否定的な口調で述べた。 
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