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星河の覇皇

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第八十五部第五章 北京宣言その一

                北京宣言
 北京星系に集まっていた各国の首脳達の会談は全て終わろうとしていた、そして出す予定の宣言の内容もだった。
 まとまってきていた、それで伊東はその中で日本の外交官達に言った。
「あと少しよ」
「はい、宣言まで」
「宣言を出すまでですね」
「あと少しですね」
「そうなったわ、けれどね」
 ここで伊東は声を引き締めさせて彼等にこうも言った。
「最後までね」
「宣言を出すまで」
「それまで、ですね」
「我々の仕事が続きますね」
「そして出してもね」
 目的を達成してもというのだ。
「わかっているわね」
「はい、それがはじまりですね」
「これからの我々の仕事は」
「そうなりますね」
「むしろそうですね」
「そうよ、それからがね」
 まさにというのだ。
「はじまりよ」
「左様ですね」
「それからが中央政府との本格的な対立のはじまりです」
「政治抗争の」
「そうなりますね」
「そうよ、中央政府に私達の主張を認めさせる」
 各国政府の権限の確保と拡大をというのだ。
「それが目的だからね」
「それ故にですね」
「宣言を出しても満足しない」
「終わったと思わないことですね」
「むしろ」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「いいわね」
「はい、宣言を出してから」
「我々は本格的に仕事をはじめる」
「中央政府と戦う」
「そうなりますね」
「武力は用いなくても」
 それでもというのだ。
「これは戦いよ」
「政府と政府の」
「それになりますね」
「まさに」
「我々は」
「目的を達成する」
 このことがというのだ。
「@言うまでもなくね」
「我々の勝利ですね」
「それを手に入れた時が」
「そうなりますね」
「ええ、ただ政治は面白いもので」
 ここで伊東は笑ってこうも話した。
「どちらが勝者でもね」
「構わないですね」
「そうなっても」
「そうしたものですね」
「それが政治ですね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「だからね」
「中央政府も勝つ」
「そうなってもいいですね」
「それでも」
「そうよ」
 こう言うのだった。 
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