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ハッピークローバー

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第百十二話 二つの祭りその十二

「さもないとな」
「恥ずかしい思いするわね」
「ああ、お前スタイルもいいしな」
 かな恵はこのことも話した。
「余計に目立つんだよ」
「そうなの」
「胸にな」
 それに加えてというのだ。
「お尻だってな」
「大きいから」
「それで尚更な」
「注意しないと駄目ね」
「これからはな」
「そうしていくわね」
「絶対にな、そうした工夫も出来るだろ」
 かな恵に対して問うた。
「やっぱりな」
「それはね」
「だったらな」
「透けない色にして」
「ラインもな」
「出ない生地にしないとね」
「もう秋だけれどな」
 季節はそうであるがというのだ。
「けれどな」
「それでもよね」
「夏はそうした服よく着るだろ」
「暑いからね」
「けれどな」
 それでもというのだ。
「本当にな透けたり浮き出るのは注意ね」
「くれぐれもな」
「明男もいるし」
「いや、あいつはかな恵に興味ないからな」
「一時期心配だったけれどね」
「何かお前が朝凄い寝ぼけ眼でいるのとか二日酔いの時見てな」
 そうしてというのだ。
「嫌になるってな」
「言ってるの」
「あとそうした時だらしない恰好だっていうのもな」
 このこともというのだ。
「嫌だってな」
「そうなのね」
「そういうところ見てるとな」
 どうしてもというのだ。
「色気とかな」
「感じないのね」
「あいつそう言ってたよ」
 本人がというのだ。
「あいつは同級生好みだな」
「自分の」
「年上には興味ないかもな」 
「そうなのね」
「それで間違ってもな」
 それこそというのだ。
「かな恵にはな」
「興味なしね」
「ああ」
 成海が見るにはだ。
「そうだな」
「そうなのね」
「それは安心しろよ、けれどな」
「明男が嫌に思うから」
「家の中でもな」 
 プライベートでもというのだ。
「あんまりな恰好はな」
「しないことね」
「そうしないとな」
 さもないと、というのだ。
「嫌われるぞ」
「実の弟に」
「そうされたくないだろ」
「よく喧嘩したけどね」 
 所謂兄弟喧嘩だ、かな恵もその経験をしたことがあるのだ。それも彼女が覚えている限りその数は多い。 
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