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夢幻水滸伝

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第三百三十一話 牽制の為の進軍その八

「こちらに入ってもらうか」
「そうしてもらいますか」
「ここは」
「敵兵もいなくなりましたし」
「交渉は成功しますね」
「十万の軍勢に一兵もおらんでどうするんや」
 そもそもというのだ。
「素直にこっちに入る様にな」
「言いますね」
「そして統治に入ってもらう」
「そうしますね」
「そうするわ、勿論安全と繁栄は保証する」
 その二つはというのだ。
「これまで通りや」
「民には暮らしてもらいますね」
「そうしてもらいますね」
「この度は」
「他の街もな」
 将帥達に話してだった。
 エリカは守りがなくなったウィネマッカに使者を送り降伏を勧告した、その際こちらの統治の話もしたが。
 街は一も二もなく降った、そしてだった。
 エリカは街の者達にだ、こう言われた。
「戦略で撤退するとです」
「駐屯していた部隊の隊長は言われましたが」
「その際エリカ様に素直に降ってです」
「戦わないでくれと言われました」
「そうか、それであっさり降ってくれたか」
 エリカもそれでと頷いた。
「街にトラップとかもなかったしな」
「はい、そしてです」
「我々はこれよりエリカ様達の勢力に入ります」
「それで隊長さんは守れなくて済まないと言われました」
「街にある兵ではエリカ様達の大軍に勝てない」
「だから別の場所で戦うと言われ」
「私達に達者でと言われました」
「そうか、確かに籠城しても勝てんわ」
 エリカが見てもだ。
「千人かそこいらで十万と戦ってもな」
「それで戦えば街に被害が出る」
「そうなると言われてです」
「撤退しました」
「一戦もせずに降るのも嫌だと言って」
「骨があるモンか?まあ今は戦うことはないか」
 エリカは街の者達の話を聞いて述べた。
「それやとな」
「はい、まずはですね」
「この街を拠点として」
「そのうえで、ですね」
「州の北部を掌握しますね」
「そうするわ、ほな次かカーリンやエルコに向かうで」
 こう言ってだった。
 エリカはウィネマッカに入るとネバダ州北部の掌握に入った、軍を道に沿って東西にそれぞれ進めてだった。
 掌握にかかった、そしてそれに対して。
 ネバダにいるスタインベックはウィネマッカから軍を撤退させた隊長に対して言った。
「それでカーリンやエルコの守備隊もやな」
「はい、撤退してです」  
 隊長は術でネバダまで来て報告していた、そのうえで言うのだった。
「イーリに向かっています」
「それで自分は軍をカーソンシチーに向かわせたな」
「そうしています」
「正直州の北部の放映は無理やとな」
 スタインベックは難しい顔で述べた。
「そうな」
「では撤退は」
「ええことや、下手に戦ってもな」
 エリカが率いる十万の軍にというのだ。
「そうしてもな」
「負けるだけですか」
「それで街にも被害が出る、市街地はダメージ受けんでも」 
 それでもというのだ。 
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