神々の塔

「日本の殆どの地域にとって」
「そやけどな、八条グループの社員さんにな」
「十勇士のお家の人達いてはって」
「それで真田家の人もな」
「いてはるな」　
「そやろ、ずっと薩摩藩にいてはって」　　
　リーはシェリルにも話した。
「江戸時代の頃は苗字変えて潜伏してたけど」
「真田家そして十勇士の子孫ってことは隠して」
「そして暮らしてたけど」
「維新になってな」
　シェリルも言った。
「本来の苗字に戻って」
「神戸の八条家に社員さんとして雇われて」
「代々働いてはるな」
「神戸に住んではって」
　八条グループの本拠地であり自分達が通っている八条学園もあるこの街にというのだ、言うまでもなく関西屈指の大都市である。
「そうしてはるな」
「それを見るとな」
「わかることやな」
「幸村さんも十勇士も生きてはった」
「秀頼さんも」
「そういえば」
　ここで綾乃が言ってきた。
「秀頼さんの息子さんも」
「ああ、実は生きてはったからな」
　芥川は綾乃に八条学園の中で言われていて他の場所でも実はそうだったのではないかといわれていることを話した。
「木下家に匿われて」
「それで分家して大名になりはって」
「そのお家がずっと残ってたな」
「江戸時代が終わるまで」
「何でも明治時代まで嫡流あったらしいし」
　豊臣秀頼の息子ではないかと言われる者の家のそれはというのだ。
「それで木下家のご当主の一子相伝のお話に」
「何かどっかの拳法みたいやな」
「そやな」
「暗殺拳やな」
「秘孔突いたら相手が爆発して死ぬ」　
　羅と施、メルヴィルとトウェインは一子相伝と聞いてとある名作漫画を思い出した。尚それなりの登場人物は奇麗に死ぬ。
「あの漫画みたいやな」
「主役が悪者ギャグみたいに殺す」
「人を平気で踏み殺す馬も出るし」
「凄い漫画やな」
「まああの漫画そっくりやな」
　芥川も思うことだった。
「別に胸に七つの傷はないけどな」
「それでもやな」
「木下家のご当主さん代々に伝えられてたんやな」
「その人だけに」
「それだけ極秘のことやったな」
「秀頼さんは生きてて」　
　実際に豊臣秀吉の正室ねね北政所と呼ばれた彼女の兄の家である木下家岸和田藩の藩主に伝えられていたという。
「薩摩に逃れたって」
「そう聞くと信憑性あるな」
「嘘やったらそこまでせんしな」
「そう考えるとな」
「この話ほんまやな」
「僕もそう思う、何しろグループに幸村さんの子孫の人がいてはるんや」
　大坂の陣で死んだ筈のだ。
「仙台藩の方だけやなくてな」
「そうそう、幸村さんの子孫って仙台の方に行ってん」　
　綾乃がまさにと突っ込みを入れた。
「片倉小十郎さんの息子さんに匿われてね」
「奥さんと娘さんがな」
「息子さんのお一人も入って」
「それで代々仙台にいてはったが」
「幸村さんと大助さんも」
「実は生きててな」　
　今話している様にというのだ。