ハッピークローバー
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第百十二話 二つの祭りその九
「俺達ってな」
「肉食じゃないわね」
「それはないな」
「そうよね」
「下半身に理性や節操がないって訳でもないな」
「そんな人もいるけれどね」
世の中の人間色々でだ。
「ハーレムとか逆ハーレムとか」
「そういうの好きな人いるけれどな」
「私達はね」
「違うな」
「そうね」
「そんなことはな」
成海は顔を曇らせて述べた。
「俺達はいいよな」
「趣味じゃないわね」
「そうだよな、一人だけでいいよ」
「そうね。具体的にはね」
かな恵は微笑んで言った。
「成海っちよ」
「俺かよ」
「やっぱりね」
何と言ってもというのだ。
「ずっと一緒にいてね」
「幼馴染みでな」
「今はこうして付き合ってるから」
だからだというのだ。
「これからもね」
「一緒か」
「成海っちもそれでいいわよね」
「駄目な筈ないだろ」
成海は笑顔で応えた。
「俺だってな」
「私と一緒にいたいのね」
「ああ、そしてな」
そのうえでというのだ。
「楽しくやっていこうな」
「一緒にね」
「それでな」
さらに言うのだった。
「かな恵ってお母さん気質だけれどな」
「それ言われるわ」
「料理上手で面倒見よくてな」
「皆をまとめるからね」
「一ちゃん達に言われるよな」
一華をこう呼んだ、成海は彼女達とも子供の頃からの知り合い同士なので仇名で呼び合っているのだ。
「そうした風に」
「そうなの」
「そうだろ、けれどな」
それでもとだ、成海はさらに話した。
「それでいてあぶなかっしいところあるんだよ」
「そうなの」
「何処か頼りなくてな」
そうした部分があってというのだ。
「不用心っていうかな」
「あっ、そうも言われるわ」
かな恵も否定しなかった。
「私ってね」
「そうだろ、それでな」
「成海っち一緒にいてくれるのね」
「そうだよ」
こう言うのだった。
「俺でよかったらな」
「成海っちがそう言ってくれるならね」
かな恵はにこりとして応えた。
「私も嬉しいわ」
「そうなんだな」
「守ってくれるってことよね」
「ああ」
その通りだとだ、成海は真剣な顔で答えた。
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