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夢幻水滸伝

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第三百三十話 東へその十一

「これ以上戦ってもな」
「防衛ラインを突破され」
「そこから潰走する事態にもなりかねん」
「それで、ですね」
「今のうちにな」
「撤退しますか」
「ああ、そうしよか」
「それでは」
「全軍撤退や」  
 ホイットマンはこの決断を下した、そして全軍に指示を出し今も一騎打ちを行っているトウェインに言った。
「今回はこれでということで」
「撤退するか」
「そうさせてもらいます」
「ほなや」 
 トウェインはその言葉を受けて言った。
「わいとしてはな」
「追撃ですか」
「自分が撤退するならや」
 軍をそれに移らせその指揮を執るならというのだ。
「そうするわ」
「そうですか」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「戦う、一騎打ちは中断させてもらうで」
「こちらもそうしたいです」
「ここで自分を倒せば」
 トウェインはこうも言った。
「敵軍は確かな司令官を失ってや」
「瓦解するというんですね」
「そやけど自分は強い」
 確かな声でだ、このことを指摘した。
「そやからな」
「それで、ですね」
「一撃で倒すのは難しい」
 まさにというのだ。
「まず不可能や」
「だからですか」
「ここはわいもな」
 トウェインも判断を下している、そのうえでの言葉だ。
「是非な」
「軍を率いられて」
「そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「戦うわ」
「そうされますか」
「指揮してな」
 その軍をというのだ。
「そうするわ」
「ではお互いに」
「一騎打ちは中断やな」
「それでは」
「またな」
「はい、次こそ決着をつけましょう」
 こう話して二人は別れた、そしてだった。
 彼等は別れた、そのうえでそれぞれの軍の采配を執るがトウェインのそれは激しくかつ的確でホイットマンも苦戦した。
「これはおいらが後詰になってな」
「敵の攻撃を食い止めないとですね」
「ここで壊滅するわ」
 ホワイトバッファローに話した。
「まさにな」
「そうなるからですね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「ここはな」
「ご主人様自ら後詰となられ」
「敵の攻撃を止める、采配を執りつつな」
 そうしながらというのだ。
「戦うしかないわ」
「難しいですね」
「そやけどな」
 そのことはわかっているがというのだ。 
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