新オズの臆病ライオン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九幕その十一
「それでいただいているよ」
「食べることを楽しんでいるんだね」
「さっきまでダンスをしていたけれど」
「今は食べてるんだね」
「そうなんだ、一緒にね」
ボタンはこう言ってでした、自分の傍を見ますと。
そこには神宝達五人もいてです、それぞれ食べています。
「美味しいよね」
「うん、ご馳走もね」
「ダンスも音楽もよくて」
「雰囲気もで」
「最高の場所ね」
「そうだよね、僕もそれはわかるよ」
ボタンは今度はお寿司、烏賊や蛸のそれを食べて言いました。
「いい場所だね」
「そうだね」
「凄くね」
「最初は緊張していたけれど」
「それでもね」
「今はそう思えるわ」
「そうだね、そう思えたら」
それならと言うボタンでした。
「それでいいね」
「そうだよね、ほら見て」
トトはボタンに言ってきました。
「今のドロシー達を」
「今は臆病ライオンさんと踊ってるね」
ボタンが見れば丁度そうした時でした。
「凄く上手にね」
「それも楽しくね」
「そうしてるね」
「楽しんだらね」
それならというのです。
「いいんだよ」
「そうだよね」
「幸せって何か」
トトはこうも言いました。
「それは幸せって感じたらね」
「それで幸せだね」
「その人がね」
「そうだよね、僕もね」
「いつもそう感じてるね」
「そうだよ」
「それでそう感じてるから」
だからだというのです。
「君もしあわせで僕もドロシーもね」
「幸せだね」
「そうだよ、僕も最初は舞踏会ってね」
こうした場所はというのです。
「緊張してね」
「楽しめなかったんだ」
「それどころじゃなかったよ、だってね」
トトはさらにお話しました。
「僕はドロシーと一緒にカンサスにいたんだよ」
「大平原で何もなかったんだよね」
神宝がローストチキンを食べながら言ってきました。
「その頃の君達が住んでいた場所は」
「僕達のお家があってね」
トトは神宝にもお話しました。
「そして畑があって」
「周りにはだね」
「他にお家もなくて」
それでというのです。
ページ上へ戻る