X ーthe another storyー
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第五十一話 決着その八
「共にだ」
「行ってか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「共に戦いだ」
「姫様を封じるか」
「一人で無理だとしてもだ」
例えそうであってもというのだ。
「二人ならどうだ」
「出来るな」
「必ずな、だからだ」
「俺と共に戦ってくれるか」
「嫌か」
「頼む」
神威は一言で答えた。
「それではな」
「ああ、やるか」
「神威君とお兄ちゃんなら」
二人ならとだ、小鳥も言った。
「きっとね」
「出来るな」
「姫様を救うことが」
封真も神威も応えた。
「そうだな」
「俺達二人なら」
「きっとね」
小鳥は確かな声で答えた。
「出来るわ、それじゃあ」
「行って来る」
「今からな」
「うん、やっとね」
小鳥は今度は微笑んで言った、優しい微笑みだった。
「また一緒になれるね」
「いや、もうなっている」
神威は小鳥に顔を向けて答えた、彼も微笑んでいる。
「天の龍と地の龍の戦いが終わってな」
「そうね、言われたら」
「そうだな、ではな」
「これからね」
「行って来る」
神威はまた言った。
「そしてだ」
「姫様をお救いするわね」
「そうする」
「神威、行くぞ」
封真がその彼に告げた。
「いいな」
「ああ、行くか」
「そしてだ」
封真はさらに言った。
「あの人を封じるぞ」
「必ずな」
「俺達の剣の声が聞こえるか」
「聞こえる、人から生まれただけにだ」
そうした剣だからだというのだ。
「心もあるな」
「生きているな」
「そうだな、その剣も言っている」
「姫様を救えとな」
「そうだ、だからな」
剣達も言っているからだというのだ。
「いいな」
「ああ、俺達もな」
「戦ってだ」
そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「封じるか」
「封じ方はだ」
「それが一番大事だがな」
「剣が教えてくれる、違うか」
封真は自分が持っている剣を見てその剣に問うた。
「封じ方を知っているな、そして教えてくれるな」
「・・・・・・・・・」
剣は語らない、だが。
二人共わかった、神威はそのうえで封真に言った。
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