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X ーthe another storyー

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第五十一話 決着その二

「遂に」
「はい、ただ」
「姫様がですね」
「どうなるか。姫様をお護りすることが役目だというのに僕は」
「何言うてるねん、よおやってるで」
 空汰は自分の至らなさを感じ歯噛みした玳透に告げた。
「自分おひいさんのお傍にずっとおったさかいな」
「それでなんだ」
「おひいさん今まで無事やったんや」
「そうだったんだ」
「地の龍も議事堂までや」
 天の龍の本拠地であるこの場所からというのだ。
「攻められんかったんや」
「そうなんだ」
「そやからな」
 それでというのだ。
「気にすることはない、もう一人のおひいさんは」
「どうなの?」
「誰も予想せんかったしどうにか出来るもんやない」
 こう嵐に答えた。
「そやからな」
「気にすることはないのね」
「玳透もな」 
 彼にしてもというのだ。
「もうな」
「そうなるのね」
「そやろ、あの事態はな」
「私も想像しなかったわ」
「まさかな、ただな」
 空汰はこうも言った。
「考えてみたらな」
「有り得ました?」
「人間誰しも裏と表があるやろ」
 護刃に答えた。
「そやからな」
「それで、ですか」
「おひいさんもな」
 彼女もというのだ。
「それはな」
「人間だからですね」
「同じやってことや」
「そうですか」
「わいもおひいさんは特別な人やと思ってた」
 空汰はやや俯いて述べた。
「神様みたいな」
「夢見として素晴らし過ぎて」
「この世のものとは思えん奇麗さでな」
「しかもああしたご性格なので」
「そう思ってたけどな」
「人間だったんですね」
「人間は人間ってことやな」
 こうも言ったのだった。
「表と裏があってな」
「善と悪もですね」
「あるんや」
「そうね、神様みたいに思っていたわ」
 火煉も言ってきた、やや俯いて。
「私もね」
「そうでしたか」
「ええ、神秘的でしょ」
「はい」
 嵐は火煉の言葉にまさにと答えた。
「あの方は」
「空汰君の言う通りでね」
「しかも五感がないというのに」
「普通に私達ともやり取りが出来るので」
「五感とは別の感覚で以てね」
「見聞きし感じ語り」
「だからそう思っていたけれど」
 火煉にしてもというのだ。
「神様、女神様に」
「けれど人間であって」
「表と裏があって」
 そしてというのだ。
「善と悪もね」
「あるのですね」
「人は大なり小なり善であり悪であり」 
 征一狼も語った。 
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