| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十五部第四章 メキシコの思惑その五十

「先を見据えてだ」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「人事を決められる」
「そうされますね」
「先の先を見てだ」
 その様にしてというのだ。
「ことを考え決める」
「それが政治ですね」
「先の先まで広く見る」
「そうしてことを為す」
「それが政治というものですね」
「それが出来ないのではな」
 長期的に広い視野でものを見ることをというのだ、ガラサは政治家としてそのうえで今周りに語るのだった。
「政治家として失格だ」
「左様ですね」
「そうですね」
「だからですね」
「首相もですね」
「その様にされますね」
「そうだ、そしてだ」
 それでというのだ。
「警察長官もだ」
「お考えですね」
「どなたにするか」
「そのことを」
「そうだ、熟考してだ」
 そしてというのだ。
「決めたいあと一人いるが」
「もうお一人ですか」
「候補の方がおられますか」
「そうなのですか」
「清廉潔白で経験も豊富で健康も問題ない」
 そうした人物だというのだ。
「中々だと思うが」
「それでもですか」
「首相としてはですか」
「問題がある」
「そうお考えですか」
「実は運がない」
 そうした人物だというのだ。
「どうもな」
「運ですか」
「それがないのですか」
「そうなのですか」
「彼が赴任した先で連続殺人鬼が出たりだ」
 こうした輩はこの時代にも存在している、残念ながら異常者何時でも何処でも存在しているものなのだ。
「迷宮入りの事件が起こったりな」
「そうしたことが続いているのですか」
「そうなのですか」
「これまでのところ」
「そうなのですか」
「そうだ、殺人鬼を射殺したが」
 それでもというのだ。
「その殺人鬼の親がマスコミ関係者だったりだ」
「それは厄介ですね」
「殺人鬼の親がマスコミ関係者とは」
「あの世界は変に仲間意識が強いですし」
「しかも何かとです」
「情報を隠したりもします」
「実際に報道しなかった」
 その殺人鬼のことをというのだ。
「その星系のマスコミはな」
「厄介ですね」
「それは実に」
「それは運が悪いですね」
「どうにも」
「そうだ、そして迷宮入りの事件はな」
 ガラサはそちらの話もした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧