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神々の塔

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第五十一話 織田家の者達その十二

「そしてです」
「後で身体は戻るにしてもな」
「魂だけになれば戦えず」
「我ら神霊も敗れたことになる」
「左様ですね、そうであれば」
「陣に入ることは避ける」
「そして普通に止まれないなら」 
 そうした状況ならというのだ。
「術を使い」
「瞬時に避けるとだな」
「そうするしかないので」 
 それ故にというのだ。
「今の様にです」
「わしが動くと思う、いや読んでいたか」
「はい」 
 リーは佐々にその通りだと答えた。
「まさに」
「そして反転してだな」
「またこちらに来られるとです」
「反転するがその瞬間はな」
「誰でもです」
 それこそ神霊であってもというのだ。
「どうしてもです」
「完全に無防備になるな」
「その瞬間は。まさにその瞬間をです」
「狙ったか」
「私が貴方をその様に動く様にすれば」
 そうであるならというのだ。
「皆はきっとです」
「それを理解してか」
「そしてです」 
 そのうえでというのだ。
「動いてくれるとです」
「わかっていたか」
「そうでした」
「いや、咄嗟の判断と理解でした」
 中里は佐々に笑って話した、他の面々も同じ顔になっている。
「しかしここはと思ったんで」
「皆わしが反転する瞬間に動いたな」
「そうでした」
 まさにとだ、中里は佐々に話した。
「ほんまに」
「そうか、見事だ」
 佐々は中里の返事に口を大きく開いて笑って応えた。
「よくやった、ではな」
「それならですか」
「他の者達も全て倒しならな」
「上に上がることですね」
「そうせよ、そして上様にはわし等から言っておく」
 嬉しそうに笑って話した。
「面白い者達だとな」
「僕等は」
「その様にな」
「そうですか」
「しかも見れば中々傾いている」
 佐々は一行のこのことも話した。
「真面目にな」
「まあうちに根っからの真面目君って言いますと」
 綾乃は一行を見回して佐々に話した。
「リー君ですけど」
「しかし私もこれでな」
「傾いてるとこあるね」
「自覚はしている、お国柄どうしても真面目になるが」
「シンガポールは」
「規則が多く禁じられていることもな」
 法でだ、起きた世界のシンガポールは実にそうしたことが多いのだ。
「それでな」
「何かとやね」
「生真面目になるが」
「それでもやね」
「その私も傾くところはな」
「あるね」
「自覚してるわ。可能な限りな」
 法に触れない限りというのだ。 
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