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おぢばにおかえり

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第七十八話 教会長さんその二十五

「大切なことはね」
「そういうことですね」
「そうよ、私はそれが駄目だから」
「そのことからですか」
「よくわかったわ、だからちっちはね」
 一旦俯かれてからまた私に言われるのでした。
「このことはね」
「覚えておくことですね」
「そしてあの子にも教えてあげてね」
「新一君は特にですね」
「そう思うならね」
「教えてあげることですね」
「お仕込みしていってね」
 おみちの言葉も出してのことでした。
「ちっちも」
「そうしないとあの性格なおらないですからね」 
 もう腹を括っています。
「そうしていきます」
「お願いね」
「はい、けれど先輩新一君嫌いじゃないんですね」
「ええ、嫌いではないわ」
 その通りというお返事でした。
「だってちっちを大切にしてるから」
「大切にしてます?」
「してるわよ」
 にこりと笑って言われました。
「とてもね」
「そうでしょうか」
「そう思うわ、だからね」
 それでというのです。
「ちっちもよ」
「新一君を大切にすることですか」
「そうしてあげてね」
「だからお仕込みもですね」
「していってね」
「はい、けれどあれだけ言われて嫌いじゃないなんて」
 普通自分を嫌う人は自分も嫌います、嫌えば嫌われると聞きました。
「信じられないです」
「だから私は言われることをしたからよ」
「そのことですね」
「そう、だからね」
「新一君に言われてもですか」
「言われるのは凄く辛いわ」 
 このことは事実だというのです。 
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