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夢幻水滸伝

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第三百二十九話 ダイナマイト王その七

「していってます」
「そうですね、それで今や州全体で」
 監督はオニールの話をここまで聞いてそのうえで彼に話した。
「オニール様の評判がです」
「上がっていますか」
「左様です」
「何か実感ないですが」
「そうですか」
「いやおいらって起きた世界やと只の高校生ですさかい」
 そちらの世界の自分のことを話した、実際に彼は八条学園においてはごく普通の学生として暮らしている。
「そやから」
「こうした評価はですか」
「どうも」
 首を傾げさせつつ言うのだった。
「言われてもです」
「実感がないのですか」
「どうも」
「起きた世界ではそうかも知れないですが」
 監督はそちらの世界のことを認めつつ答えた。
「ですが」
「こっちの世界ではですか」
「そういうことです、というか場所が同じでも」
 それでもというのだ。
「行いが違いますと」
「評価も違いますか」
「同じ人でもです」
 それでもというのだ。
「行いが違いますと」
「それならですか」
「はい、もうです」
「評価も違いますか」
「人の為に親切に振る舞えばです」
 同じ人が行ってもというのだ。
「好かれますね」
「逆に意地悪やと嫌われます」
「オニール様も然りで」
「おいらはこっちの世界ではですか」
「そうした行いをされているので」
 だからだというのだ。
「評判がです」
「ええですか」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「そちらの世界のことはそれはそれ」
「こちらはこちらですね」
「そうお考えになられるべきでは」
「そうですか、ほなこのまま」
「ミズーリ州の為に働いてくれますか」
「評判がええに越したことはないですし」
 それでというのだ。
「やらせてもらいます」
「それでは」
「はい、それとです」
 ここでオニールはレモンティーを飲んだ、そのうえで監督に対して考える顔でこんなことを言った。
「おいらこっちの世界では蛙人ですが」
「それが何か」
「別に起きた世界とです」 
 人間として暮らしていてもというのだ。
「暮らしは変わらへんですね」
「人は種族によって体格の多少の違いはありますが」
 監督はそれでもと答えた。
「人はそれぞれの生きものから進化する中で人として生きる様になっていまして」
「同じ様にですね」
「暮らせる様になっています」
「そうなんですね」
「文明の中で暮らせる様に」
「どの種族も進化したんですね」
「二本足で歩き手を使い」 
 そうしてというのだ。 
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