イベリス
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第百三十一話 吹っ切れてその十
「負け方だってな」
「凄くて」
「十連敗してな」
そうしてというのだ。
「一勝したらな」
「そこからですね」
「今度は七連敗してな」
そうなってというのだ。
「最後はヤクルトに十九点取られたんだよ」
「七連敗の最後に」
「阪神は三点でな」
それだけ得点してだ。
「ヤクルトはな」
「物凄いですね」
「その月三つしか勝てなかったんだよ」
「凄い暗黒ですね」
「それがずっとだったんだよ」
阪神はというのだ。
「そうなったからな」
「阪神もそうだったんですね」
「ああ」
その通りだと返事した。
「あそこもな」
「そんな時代があったんですね」
「そうさ、何処のチームもな」
「上手くいかない頃がありますね」
「それでな」
「そうした時こそですね」
「応援するんだよ」
そうするというのだ。
「絶対にな」
「それが本物ですね」
「ファンだよ」
「そうですね」
「そこもしっかりしないとな」
「人間駄目ですね」
「強くても弱くてもな」
何時でもというのだ。
「本当にな」
「応援することですね」
「俺もそれがわかったよ」
「マスターも」
「強い西武もな」
「今の西武もですね」
「どっちもな」
「応援されてますね」
「強い時は楽しくてな」
そしてというのだ。
「今だってな」
「楽しいですか」
「どっちもな」
「そうですか」
「応援すること自体が」
まさにというのだ。
「本当にな」
「楽しいんですね」
「そうさ、じゃあな」
「私もですね」
「そうしてくれよ」
「はい」
咲はすぐに答えた。
「そうしていきます」
「正しいファンならな」
「そうしますね」
「それで文句とか悪口もな」
「そうしたこともですね」
「改善して欲しいところは言うさ」
そこはというのだ。
「ストッパーいいのが欲しいとかな」
「そうしたことはですね」
「言うさ」
こうしたことはというのだ。
「やっぱりな、けれどな」
「文句や愚痴はですね」
「悪口はな」
「言わないことですね」
「酷いファンもいるだろ」
「罵ってばかりの」
「そうした人はな」
彼等はというと。
「やっぱりな」
「正しいファンじゃないですね」
「マナーはちゃんとな」
「守ることですね」
「他チームを貶めることもな」
こうした行為もというのだ。
「やっぱりな」
「しないことですね」
「そういうのは何とかカスっていうんだよ」
「ネットでよく言いますね」
「そうだろ」
「阪神だと阪神の神を珍って呼んで」
そうしてというのだ。
「珍カスって」
「あそこのファンは昔からだからな」
「マナーの悪い人多いですね」
「ああ」
実際にというのだ。
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