ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
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第126話 ご先祖様現る!ルネアス・グレモリーの語るその血の秘密!
前書き
あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。
今回の話で原作のDX7と違う部分がありますがこの作品のオリジナル設定なのでお願いします。
side;イッセー
旅行を終えて夏休みもあとわずかになった俺達は宿題を終わらせたり二学期への準備を進めていた。
「ねえイッセー、ちょっといいかしら?」
「どうしたんだ、リアスさん?」
「実はね、お父様から連絡があって初代様が起きたようで私に会いたいって話なのよ」
「えっ初代の人起きたんですか?予想より早いですね」
リアスさんから初代グレモリーの方が起きたと聞いて俺は予想より早いなと答えた。サーゼクスさんの話では初代様を起こすのはかなり難しいかもしれないと聞いていたからだ。
「私ももっと時間がかかると思っていたんだけど私のこの力について話しをしたら本当に珍しく目を覚ましたようなの。そしてすぐに私に会わせてほしいと言ってるらしいわ」
「なんか急な話ですね。まあ会う予定だったので全然問題ないんですけど……それで行ってくるんですか?」
「それが何故か貴方にも会いたいって話らしいのよ」
「えっ俺もですか?」
何故かその初代グレモリーという悪魔の方は俺にも会いたいらしい。
「なんで俺に?全く知らない人なんですけど……あっ、もしかして赤龍帝関係か?」
『悪いが俺は初代グレモリーなどとは一回も関わったことはない』
「そうか……」
俺はドライグが関わってると思ったが本人も知らないようだ。
「あと私と貴方しか行けないの、初代様の居場所はグレモリーの者しか知ることを許されていないから」
「やはり狙われるからですか?」
「そうね、初代様達の世代は今じゃ考えられないほど殺伐としていたらしいわ。今も因縁が続いていたりするからその世代の人たちは絶対に身内以外に居場所は教えないわね」
俺とリアスさん以外はいけないらしい。まあそんな大昔から生きてる悪魔なら恨みも星の数ほどありそうだしな。
「でも眷属すら駄目なんですか?」
「本当なら眷属も連れていけるんだけど私はグレモリーの名を捨てたからね。そんな私や部外者である貴方が初代様の住む屋敷に行けるのは本来あり得ないのよ」
なるほど、そういう事か。それなら仕方ないな。
「そういう事だから時間を貰えるかしら?」
「ええ、俺は構わないですよ」
こうして俺はリアスさんと共に初代グレモリーに会いに行く事になったんだ。
―――――――――
――――――
―――
「久しぶりだね、リアス。そしてイッセー君」
「お父様、お久しぶりです」
「どうもです」
俺はリアスさんの父であるジオティクスさんに挨拶をする。妻であるヴェネラナさん、そして魔王のサーゼクスさんやグレイフィアさんも一緒だ。
「リアス、貴方の活躍は一龍さんから聞いているわよ。前よりも逞しくなったわね」
「お母様……」
久しぶりに出会った親子は抱擁を交わした。
「本当ならもっと語り合いたいのだけど今日は時間が無いの」
「どういうことですか?」
「初代様は既に起きておられる、かなり無理をして頂いたので長くは起きていられないだろう。早速初代様の屋敷に向かおうと思うが大丈夫かね?」
「ええ、問題ありません」
「私も大丈夫よ」
ヴェネラナさんが名残惜しそうに離れるとリアスさんは首を傾げる、そこにジオティクスさんが訳を話してくれた。
急いだほうが良いと思った俺とリアスさんは揃って問題無いと話す。
「では行こうか、こちらだ」
俺達はジオティクスさんに案内されてグレモリー家の地下深くに入っていく。
「この辺は私でも来た事がないわね」
「グレモリー家でも限られたものしか来れない場所よ、リアスが当主になったら教えるつもりだったの」
「それって……」
リアスさんでもこの辺りは来た事がなかったようでそれについてヴェネラナさんが彼女が当主になったら教えるつもりだったと話す。
それを聞いたリアスさんは何かを察した様子を見せるがそれ以上は何もしゃべらなかった。
そしてさらに奥に進むと大きな魔法陣があるエリアに出た。
「この魔法陣は……」
「これは初代様の住まわれている屋敷に向かう唯一の魔法陣だ、これで初代様の元に向かうぞ」
「やはりそういうことね、お母様が言いたかったのは子の魔法陣の事だったんだわ。当主にしか教えないのも納得ね」
俺の呟きにジオティクスさんが説明してくれた。それを聞いたリアスさんは納得した様子を見せる。
そして俺達はその魔法陣で何処かにワープする、そこは見た事もない禍々しい植物が辺りを埋め尽くす森だった。
「ここは禁断の森だ」
「き、禁断の森!?冥界でも屈指の危険地帯じゃない!?」
ジオティクスさんが呟いた禁断の森という単語にリアスさんが反応する。
「そんな危険地帯なんですか?」
「そうよ、この森に生息する生物は全てがとんでもなく強くてお兄様クラスの実力者でようやく入れるくらいには危険なの。過去に何人かの上級悪魔がこの森の生物を眷属にしようとして足を踏み入れたけど全てが逃げ帰ってきたくらいにね」
「それはとんでもない場所ですね……」
リアスさんの説明に俺はなるほどと思った、この森から漂ってくる気配は確かに並じゃないな。G×Gの人間界にいたウォータイガークラスの気配を感じるぜ。
「お待ちしていました」
「お祖母さま!?」
すると背後から誰かが声をかけてきたので振り返るとそこには紅の髪をもつ綺麗な女性がたっていた。その女性を見たリアスさんは目を丸くして驚いていた。
「お祖母さまってリアスさんのお婆ちゃんって事ですか?」
「はい、彼女は先代の当主キシス・グレモリー様です。隠居されてからは政などには関わらないスタンスを取られていますが今回はあの方も初代様に会うためにここに来られました」
俺も疑問にグレイフィアさんが答えてくれた。流石悪魔だ、全然年を取ってるようには見えないな。
「久しぶりね、リアス。元気そうで何よりだわ。そして貴方がリアスがお世話になってる一誠という方ね。初めまして、私はキシス・グレモリーといいます」
「初めまして、兵藤一誠です」
俺はキシスさんに挨拶をする。
「リアス、ジオティクスから聞きました。グレモリーの名を捨てたと」
「それは……」
「いろいろ言いたいことはありますがとにかく今は貴方が何事もなく生きていてくれたことが嬉しいわ。こっちにいらっしゃい」
「あっ……」
キシスさんはそう言うとリアスさんを抱きしめた、リアスさんも目を閉じてその抱擁を受け入れる。
「お祖母さま、ごめんなさい。私は……」
「今は何も言わないで、ただこうさせて頂戴」
「はい……」
俺達はその光景を胸を暖かくしながら見ていた。
「……ふう、ここまでですね」
キシスさんは満足した様子でリアスさんから離れた。
「本当はもう少しリアスやジオティクス、それに一誠さんともお話をしたかったのですがこれ以上初代様を待たせるわけにはいきません。さあ行きましょう」
キシスさんはそういうと森の中に進んでいく、俺達もその後を追いかけていった。
(そういえばお祖母さま、お父さまの事を『ジオたん』って呼ばないけど流石に状況が状況だし控えているのかしら?)
「どうしたんですか、リアスさん?なにか神妙な顔をしていますけど」
「あっ、いやなんでもないわよ。さあ行きましょうか」
リアスさんの反応に少し首を傾げたが俺は気にせず先を進むのだった。
―――――――――
――――――
―――
「ねえイッセー、この辺りに生息してる猛獣って……」
「いやグルメ細胞があるようには見えないですね。ただD×Dで出会った生き物の中では破格の強さです、正直こんな強い奴をこっちで見るとは思っていませんでした」
俺とリアスさんは森で見かける猛獣達の強さに驚いていた。流石に阿修羅タイガーなどのグルメ界の猛獣と比べたら弱いがそれでも強い奴が多いな、一番強い奴でサラマンダースフィンクスのような覇気を持つ奴もいたぞ。
「この森に生息している生き物は全て初代様が鍛えたものらしい」
「えっ、じゃあこの森はグレモリーが管理しているんですか?」
ジオティクスさんの話にリアスさんはこの森がグレモリーが管理しているのかと尋ねた。
「私達というよりは初代様が管理している、とはいえ普段は放し飼いにしているのだが……私達が無事でいられるのも私やサーゼクスなどがグレモリーの魔力を持っているから猛獣達が初代様の仲間だと思っているからだ。そうじゃなければ今ごろ辺りの生物全てが襲い掛かってきていただろう」
「なるほど……」
「因みに分かっているとは思うがこのことはグレモリーだけの秘密だ、口外はしないように」
「了解です」
流石初代グレモリー、こんな強い生き物を育てるとはな。
「……でもなんでか私には特に反応していないかしら?頭まで下げている子もいるんだけど?」
リアスさんは困惑しながらそう言った。
そうなんだ、なぜか猛獣達はリアスさんを見ると怯えたり頭を下げたりしているんだ。まるで群れのボスを見たような反応だ。
今も馬鹿でかいゴリラや熊が怯えながらリアスさんに頭を下げていた。
「ふむ、こんな反応をするのは初めて見たな」
「もしかしたらリアスの謎の力が関係しているのかもしれないね、僕にすらこんな反応はしなかったから」
「それなら……」
ジオティクスさんとサーゼクスさんの話では猛獣達がこんな反応をしたのは初めて見たらしい、それを聞いたリアスさんが力を発動して金髪になると……
『ヴォオオオオオッ!?』
「えっ?なに?なんなの?」
猛獣達は雄たけびを上げてリアスさんを持ち上げていく、まるでボスを讃えているみたいだ。
「……どうやらサーゼクス様の予想は当たっていたようですね」
「ちょっとー!なんなのよー!」
グレイフィアさんが冷静にそう言うが当のリアスさんはそれどころじゃないらしく涙目になっていた。
それから先を進むと大きな古い屋敷が見えてきた。リアスさんを下ろした猛獣達はまた頭を下げて森に帰っていった。
「流石に怖かったわ……」
げんなりとした様子でリアスさんがそう呟く。
「あそこが初代グレモリー様の住まう屋敷だ」
「流石に立派な屋敷ですね」
俺達はその屋敷の中に入り初代さんの眠る部屋にやってきた。
「初代様、キシスです。リアスをお連れしました」
『いいよー、入って頂戴』
キシスさんがドアをノックすると中から軽い感じの返事が返ってきた。俺達が部屋の中に入るとそこには紅髪をツーサイドアップにした可愛らしい女の子がいたんだ、何故か駒王学園の制服を着ていたけど……
「も、もしかして貴方様が初代グレモリーであるルネアス様ですか?」
「君がリアスちゃん?わぁ~、すっごく綺麗な子ね!私気にいっちゃったわ!」
うろたえるリアスさんにルネアスと呼ばれた悪魔の女性が抱き着いた。は、早い!動きの動作が見えなかった!?
「初めての人は初めまして!私こそグレモリーの始まりとなった初代ことルネアス・グレモリーだよ。よろしくね♪」
そういってルネアスさんはウインクを決める。か、かなりフランクな人なんだな~……
「初めまして、ルネアス様。私はリアスと言います、でも名前は……」
「ああ、挨拶は良いよ。君の事はもう聞いてるから。早速だけど金髪になる力が使えるって本当?」
「えっとこの力の事ですか?」
リアスさんはそういうと金髪に変化させる、それを見たルネアスさんは溜息を吐いた。
「はぁ~……まさかその力を使える子が出ちゃうなんてね。折角封印したのにどうしてかしら?」
「えっ、封印?」
ルネアスさんの言葉にリアスさんが驚いた様子を見せる、どうやらルネアスさんにとってあの力は良いものではないらしいな。
「初代様、そもそもリアスが変化したその力は一体何なのでしょうか?私も母も息子のサーゼクスすら知らない謎の力……なぜリアスだけが使えるのですか?」
「それは私の中にある『サイヤ』の血が子孫である貴方達にも受け継がれたからだよ」
「サイヤ……?」
ジオティクスさんの質問にルネアスさんはサイヤという言葉をつぶやき、それを聞いたサーゼクスさんが聞き覚えの無いような反応をする。
「初めて聞きました、そのサイヤというのは一体何なのですか?」
「サイヤっていうのは種族の事、正しくは『サイヤ人』だね。しかも地球に住む者じゃない、宇宙人なんだ」
「宇宙人!?」
まさかの宇宙人発言に俺達は大層驚いた、まあ悪魔や天使がいる世界だし宇宙人がいてもおかしくはないが……
「そういえば話は変わるけど赤龍帝ちゃんは何処かしら?」
「俺がそうですけど……」
「君がそうなんだね?ふむふむ……なるほど、強いね。神器を抜いて考えても普通の人間がなれる強さじゃない……これは当たりかな?」
「当たり?」
俺をじろじろ見て何か嬉しそうに笑みを浮かべるルネアスさんを見て俺は怪訝そうな顔をする。
「君、ドラゴンボールっていうモノを知ってるかな?」
「えっ、初めて聞きましたけど……」
「じゃあ違うかぁ……残念。異世界に行った事があるって聞いたからもしかしてと思ったけど流石にそんな奇跡は起きないよねぇ」
「異世界?貴方は異世界に行ったことがあるんですか?」
「私はないよ、でもそのサイヤ人が異世界の宇宙人なの」
俺はドラゴンボールという言葉に聞き覚えがないかと聞かれたが無いと答えた、するとルネアスさんは残念そうに表情を曇らせる。
俺はもしかして彼女もミルたんと同じで異世界に行ったことがあるのかと思いそう聞いた。前に久しぶりに会ったらまた強くなってたし違う異世界に行ったとか言ってたのを思い出した。
だが彼女は異世界に行ったことはないらしく先ほど話に出てきたサイヤ人という宇宙人が異世界人らしい。
「あれは今から気が遠くなるほど昔のことなんだけど、まだソロモン72柱という言葉すらなかった頃に私はある出会いをしたの。あの頃の私は弱っちい下級悪魔ほどの力しか無くて怯えて生きていたんだ」
「初代様がですか!?私には信じられません……」
ルネアスさんの昔は弱かったという発言にジオティクスさんが驚いていた。
「あはは、まあ悪魔は生まれ持った強大な力で強さが決まるから驚くのも無理はないよね。でも事実だよ、あの頃の私は本当に弱かったんだ」
悪魔は基本的に鍛錬などはせず生まれ持った力を振るうのが普通らしい、寧ろ鍛錬をするのは人間のようなことをするなんてクズのすることと見下されるみたいだ。
サーゼクスさんですら俺の親父と出会うまではまともに修行したことはないようでそれが悪魔の基本らしい。
なので弱い力を持って生まれた悪魔は例外が無い以外は弱いままのようだ。
「親に捨てられた私は毎日隠れて食べ物を拾って生きていた。いつ死ぬかも分からない、そんな地獄だったんだ。でもそんなある日だった、私は一人の人間の子供を拾ったの」
「人間の子供?」
「ええそうよ、最初は悪魔に連れてこられた奴隷かと思ったけど怪我もなかったしお腹も空いていたから持って帰ったわ」
「えっ、もしかして食べるつもりだったんですか?」
「まあ昔の事だから」
リアスさんは若干引いた様子を見せるが当時の悪魔はそれが普通だったみたいだ。まあ現代の価値観だと否定的な感情になるよな。
「そして連れ帰って食べようとしたら逆に齧られちゃってね、どうも寝ぼけていたらしく私をお肉と勘違いしちゃったみたいなのよ」
「えぇ……」
「怒った私はその子供に襲い掛かったわ、いくら弱いとはいえ人間の子供に負けるわけ無いしお腹も空いていたから気が立ってたの。でも気が付いたら私は気絶していて側にはその子供がいたわ」
「人間の子供に負けたんですか!?」
「ええ、私の黒歴史だわ……」
返り討ちにあったと聞いたリアスさんがそう言うとルネアスさんは気まずそうに呟く。
「私はその子供に何があったのかと聞いたら襲ってきたから気絶させたって聞いて驚いたわ。だって悪魔が人間に……ましてや子供なんかに負けるわけ無いと思ったから。そしたら間が悪いことに他の悪魔が私の住んでいた洞窟に来てしまったの、どうやら人間の子供の匂いを感じ取ってしまったようだったわ」
「それでどうなったんですか?」
「その悪魔は今でいう上級悪魔のような強さだったけどその子供はあっという間にその悪魔をのしてしまったの」
「もしかしてそれが……」
「ええ、サイヤ人……私のお師匠様である『孫悟空』よ」
俺の問いにルネアスさんは頷きサイヤ人と言った……って孫悟空!?
「孫悟空ってまさか……!?」
「こっちの孫悟空とは何も関係ないわ、名前が一緒なだけよ。まあ猿みたいな尻尾はあったけど……」
孫悟空という名前に俺は西遊記に出てくる有名な猿の神様を思い浮かべたがどうやら何も関係はないらしい。
「その後色々あって私は彼に弟子入りしたわ、最初は断っていた彼もここが異世界だと理解すると渋々引き受けてくれたわ、まあその時は異世界なんて私は知らなかったけど」
「悪魔が人間に弟子入りしたんですか?」
「弟子入りしたのは彼が利用できると判断したからね、実際に他の悪魔の相手をしてくれたから私も助かったの」
「悪魔らしい考えですね」
俺はルネアスさんの話に冷や汗を流しながらそう呟いた。したたかな人だな。
「でも一緒に何年もいたからか情が湧いちゃって向こうも食べ物をくれる私に気を許してくれたのか色々な事を教えてくれたの。自身がいた世界の事、ドラゴンボールのこと、サイヤ人の事をね。リアスちゃんが使う謎の力は『スーパーサイヤ人』という状態でサイヤ人はその状態になると凄まじいパワーアップが出来るのよ」
「スーパーサイヤ人……それが私の力の正体なのね」
ルネアスさんの説明に出てきたスーパーサイヤ人という言葉、それを聞いたリアスさんは自分の変化した髪をいじりながらそう呟く。
「因みにドラゴンボールって一体何なんですか?」
「星がかかれた球で七つ集めるとどんな願いでもかなえてくれる龍が現れるアイテムらしいわ。実際にそれをめぐって争いが何度も起きたって聞いたわね」
「どんな願いでもですか!?凄いアイテムですね……」
「争いが起こるのも納得だな、ある意味GODよりもヤバいんじゃないか?」
「実際お師匠様が子供だったのもそのドラゴンボールのせいらしいし最終的にはそのドラゴンボールから生まれた邪悪な存在と戦ってその後に一緒に世界から消えたらしいわ。だからこの世界に来た時はどうしてか分からなかったって言っていたわね」
リアスさんはドラゴンボールがなんなのか質問するがどんな願いでもかなえると聞いて大層驚いていた。俺もGOD以上にヤバい代物だと思いそんなものがこっちには無くて良かったと思った。
その孫悟空という人は最後にはドラゴンボールと一緒に自身がいた世界から消えたらしい、でも何故かD×Dの世界にいたみたいだ。
「一応弟子入りしたからか彼は私に修行を付けてくれたわ、最初は仕方なくやってたけど実際に効果は抜群で私も30年ほどで上級悪魔ほどの実力を身に着けることが出来たの」
「そんな凄い人だったんですか、俺も修行を付けてもらいたかった」
俺はルネアスさんが戦っている姿を見たわけじゃないがこうして話しているだけでも彼女の底に眠る膨大な力を感じ取れる。そんな彼女を鍛えたのがその孫悟空という人なら俺も修行を付けてもらいたかったと感想を話した。
「私はその頃にはお師匠様に恋をしていた、そして遂にプロポーズをしたの」
「もしかして僕達はその孫悟空という宇宙人の血を引いている、だからあの力を使えるんですか?」
「そうなるとグレモリーは純潔ではないのか……!?」
ルネアスさんは孫悟空さんにプロポーズをしたと言いそれを聞いたサーゼクスさんは自身の中にサイヤ人の血が流れているのかと話す。
それを聞いたジオティクスさんは驚愕の表情を浮かべた。無理もない、悪魔にとって純潔であることは誇りみたいなものだ、それが実は半分は悪魔じゃない種族の血を引いていますとわかればグレモリー家は非難どころではない制裁を受けるだろう。
「そうなっていたら良かったんだけどね……」
だがルネアスさんは悲しそうに目を細めた。
「お師匠様はプロポーズを断ったわ。『オラにはチチと悟飯、悟天がいるから結婚はできねぇ』ってね」
「えっと……い、意外となまった喋り方をされるんですね、孫悟空さんって」
「ふふっそうね、そこが可愛かったんだけど」
振られたと聞いたリアスさんは話しを明るくしようとそういうがルネアスさんは笑みを浮かべてそこが可愛いと話す。
「結局私の恋は実らなかったわ。お師匠様は普通の人間ほどの寿命しかなかったみたいで直に寿命で死んでしまったの」
「初代様……」
涙を流すルネアスさんにリアスさんも何かを感じたのか悲しそうな顔をしてしまう。
「……あの、空気を読めないみたいでちょっと申し訳ないんですがいいでしょうか?」
「どうしたの、イッセー?」
「リアスさんのあのパワーアップはスーパーサイヤ人というモノなんですよね?でも貴方と孫悟空さんの間に子供はいなかった。ならなぜリアスさんはその力を使えるんですか?」
「言われてみれば確かにそうね……」
俺の指摘にリアスさんも不思議そうに首を傾げていた。
「私とお師匠様には子供はいないよ、でも私はサイヤの血を引いてるんだ」
ルネアスさんはそう言うと自身の紅い髪をリアスさんのように金髪に変えた。
「それは私と同じ……!?」
「そう、スーパーサイヤ人だよ」
それを見たリアスさんは驚きの表情を見せる。
「私はね、お師匠様の遺体から血を抜き取って自分の体内に輸血したの。ゆっくりと徐々に大量の血をね」
「えっ……何故そんな事を?」
「あの時の私はどうかしてたの、なんでもいいからお師匠様と物理的に混じり合いたいって暴走しちゃってたんだ」
俺はルネアスさんのまさかのカミングアウトに若干引きながら質問を返すと、彼女は目のハイライトを消しながらにっこりとほほ笑んでそう言った。こ、こえぇ~……
「そしたらね、体が熱くなって気が付いたら髪が金髪に変わってすごい力が湧いてきたんだ。悪魔の血がサイヤ人との血と相性が良かったのか、それともたまたま私が特別だったのか理由は分からないけどとにかくサイヤ人の力を使えるようになったんだ。そして私はその後も名を上げていき遂には72柱の一角にもなったんだ」
「そんなことがあったのですね……」
ルネアスさんの話にジオティクスさんがそんな事があったのかと呟く。グレモリーの誕生の話を聞けて嬉しそうだな。
「でもそれならなぜ僕や父たちの他のグレモリーはそのサイヤの力を使えないんですか?」
「確かに……主人はともかく超越者と呼ばれる程の才能を持つサーゼクスですらそんな力は使えなかった。それがなぜリアスだけに?」
「簡単な事だよ、私がサイヤの血を封印したからさ」
ジオティクスさんとヴェネラナさんの問いにルネアスさんはサイヤの血を封印したと話す。
「どうして封印をしたのですか?」
「それはサイヤの力を隠す為さ。私の力に興味を持った悪魔たちが何人も嗅ぎまわっていてね、しつこかったんだ。そして私も純潔として血を残す為に信用出来た悪魔の男を婿にしたんだけどその際にサイヤの血を封印した。理由は分かるだろう?」
「悪用されるのを防ぐためですね」
「その通り、花丸だね」
リアスさんは何故封印したのかと聞くが俺は理由が分かりそれを呟くとルネアスさんが花丸をくれた。
「悪魔は強欲だからね、絶対に私の力を我が物にしようとする奴もたくさんいた。子孫に万が一サイヤの力が受け継がれたら狙われるのは分かっていたしなによりお師匠様の力を私以外に使わせたくなかったのよ。だから魔力の半分以上を消費して強固な封印を施したの。因みにその影響で私は定期的に眠りにつかなければならない体になってしまったの」
「じゃあ初代様が定期的に眠りに入られるのは精神的な若さを保つためでなくそれが原因で?」
「そういうこと。まあ結果的に精神も若くいられているんだけどね」
ルネアスさんの説明にジオティクスさんは彼女が定期的に眠りに入る本当の理由を知って驚き、彼女はウインクをして肯定する。
「でもリアスちゃんはその封印を解いてしまった。正直封印を解かれるとは思っていなかったから驚いたよ」
「しかしどうしてリアスだけが封印を解けたのでしょうか?サーゼクスでさえ無理だったのに……」
「多分サイヤの血が関係してると思う、サイヤ人は瀕死の重傷を負ってそこから復帰できると戦闘力が上がる体質を持ってるのよ。リアスちゃんここ最近過酷な環境で修行したり恐ろしく強い奴と殺し合ったりしたかしら?」
「え~っと……心当たりが多すぎてどれか分からないです……」
封印を解いたというルネアスさんにジオティクスさんはなぜリアスさんだけが封印を解けたのかと質問する。
するとルネアスさんはサイヤ人の特性を教えてくれた、そしてリアスさんに心当たりがないかと聞かれると苦笑しながら心当たりがいくつもあると呟く。
まあそりゃあるよな、だってここ最近だけでもアイスヘル、スカイプラント、ヘビーホール、グルメピラミッドなど悪魔でも数回は死ぬレベルの危険地帯を冒険してそこに生息する猛獣と戦ってきたんだからな。
「悪魔は基本的に修行したり鍛えたりしないからサイヤの血が目覚めることはないと思っていたんだけど例外がいたとはね……」
「あはは……」
「まあ安心して、貴方のそのサイヤの血はまた封印してあげるから」
「えっ!?」
突然の話にリアスさんは目を見開いて驚いた。
「封印してしまうのですか!?」
「そうよ、さっきも言ったけどそんな凄い力他の悪魔や勢力がほおっておくわけがないじゃない。それに私はいくら子孫とはいえお師匠様の力を私以外に浸かってほしくないのよ」
「そこをなんとかお願いします!私はこれから先も恐ろしい奴らを相手に戦っていかないといけないんです!このサイヤの力は絶対に役に立つ……だからどうか!」
「ふぅん?君も事情があるんだね……ならこうしよっか」
食い下がるリアスさんにルネアスさんが何かを提案する。
「私と戦って認めさせることが出来たらその力を使っても良いよ」
「えっ?私が初代様とですか!?」
「そうだよ、私もお師匠様に色々な難題を貰って強くなったからね。君も悪魔なら欲しい物は力で奪えばいいでしょ?」
「……分かりました!初代様と戦います!」
「そうこなくっちゃ♪」
リアスさんの決意を秘めた表情を見てルネアスさんは楽しそうに笑みを浮かべた。
「せっかくだから赤龍帝ちゃんも戦ってよ。異世界の人間の力を見て見たいな」
「俺もですか?いいですね、初代グレモリーとなれば相当な実力者なはず……ぜひお願いします!」
俺も戦えとルネアスさんが誘ってくれたので快く承諾した。ヴァーリやギリムといった強敵たちに勝つためにも少しでも強くなりたいからこの申し出はありがたい。
「じゃあ外に行こうか、直ぐに倒れないでね?久しぶりに力が使えそうで私も楽しみなんだから♪」
可愛らしい笑みとは裏腹にすさまじい覇気を感じた俺とリアスさんは冷や汗を流す。
やるからには必ず認めさせてやるさ、俺とリアスさんはそう思い拳を握るのだった。
後書き
オッス、私ルネアスだよ。リアスちゃんと赤龍帝ちゃんの二人とバトルする事になったんだけど久しぶりに体を動かせそうで楽しみだよー。
せいぜい壊れないように足掻いてよね?私もあんまり手加減とか苦手だからねぇ♪
……あはは♪いいね!その目、お師匠様みたいな強い目、私ゾクゾクしちゃうよ~♪
さあ遊ぼう、久しぶりのダンスをめいっぱい楽しんじゃおうねぇ♪
次回第127話『イッセー&リアスタッグ結成!挑め、初代グレモリールネアスへの挑戦!』で会おうね。
絶対見てよね♪
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