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毒親じゃなくてよかった

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第四章

「全くね」
「しなかったんだ」
「いい煙草吸っていい服着て」
「お金ないのに」
「そうしてね、それでお風呂に入って」
 人の家のというのだ。
「お布団出してもらってね」
「えっ、さらに一泊したんだ」
「そう、それで朝ご飯はおかず作らせて三杯食べて」
 ご飯をというのだ。
「親御さんからお金貰ってね」
「生活費だね」
「働いてないからね、それで帰ったのよ」
「図々しいね」
「そのお家にいる間人の部屋に勝手に入って本漁ったりもしたし」
「それも酷いね」
「でしょ?それでちょっと自分の叔父さんに注意されたら」
 その生活をというのだ。
「怒ってその人脳梗塞になったことある人だったけれど」
「脳梗塞って助かっても後遺症あるから」
 信也は聞いた話をここでした。
「言葉も身体の動きもね」
「どうしても、でしょ」
「障害者ってことだね」
「その叔父さんにね」
「何か言ったんだ」
「言われて怒って殴ってやろうかって言ったり」
 そうもしたりというのだ。
「掴みかかったそうよ」
「感情的で粗暴で礼儀も何もないね」
「でしょ?」
「とことん最低な人だね」
「それも最初叔父さんがただ他のお家は平和でいいのに自分のお家はとか言ったそうよ」
「その話も何でもないし」
 信也はどうにもという顔で述べた。
「そんなね」
「怒るお話じゃないわよね」
「別にね」
「それがその人怒って」
「殴ってやろうかとか掴みかかったり」
「したのよ、それでお財布落としたとか嘘言って」
 ゼミ仲間も嫌そうに話した。
「別の親戚の人にお金借りて当然ね」
「返さないね」
「そんな風で遂にお金がなくなって」 
 そうしてというのだ。
「サラ金にまで借りて」
「うわ、それまずいね」
「借金出来て団地に住んでたけど家賃滞納して」
「追い出されたんだ」
「一度ホームレスになって残った家具とかは周りの人が処分して」
「そこでもお世話になったんだ」
「けれど」
 それでもというのだ。
「当然ね」
「それでも性根変わらなかったんだ」
「天理教の人が探してくれて」
 ホームレスになってもというのだ。
「また天理教のお世話になったけれど」
「変わらなかったんだね」
「天理教の仕組みの悪口言い続けて」
 そうしてというのだ。
「感謝もしなくて碌に働きもね」
「しなくて」
「偉そうに言うだけで」
「駄目だったんだ」
「遂にいられなくなってその前に親戚の人のお葬式に出たら」
「またやったんだ」
「ご家族でもないのに」
 そうであってもというのだ。
「お葬式の後のお食事会で上座に上がって」
「ご家族でもないのに?」
「そうして食べてたそうよ」
「何なのかなその人」
「それで借りた喪服最後に天理教の人に突き返して不貞腐れてね」
「帰ったんだ」
「その前にその人のお母さんのお葬式あって」 
 そうしたことがあってというのだ。 
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