毒親じゃなくてよかった
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第三章
「何それ」
「小さいわよね」
「滅茶苦茶些細なものじゃない」
「それまで持って行ったってね」
「言ったんだ」
「他の人にね」
こう信也に話した。
「そうしたのよ」
「爪切りまでお世話になっていて感謝していなくて」
信也は呆れ返って自分の感想を述べた。
「そんな小さなことを言う器の小ささに」
「そんなものまでお世話になってるってね」
「酷い甲斐性なしだね」
「そうでしょ」
「それを人に言う無神経さも」
呆れ返ったまま言うのだった。
「物凄いね」
「それで人生やり直してそうなった性根をなおす為に」
信也に話を続けた。
「天理教でお世話になって三ヶ月位天理の方で修行っていうか修養科に入れたら」
「なおらなかったね」
「わかるわよね」
「お話の展開でね」
それでというのだ。
「わかるよ」
「そう、更正なんてね」
「しなかったね」
「そしてね」
「そこからさにだね」
「天理教の人達に色々お世話になったけれど」
「感謝しないで」
「天理教の教会の仕組みとかに文句言いだしたのよ」
「そんなのどうでもよくない?」
信也は心から思って言った。
「それこそ」
「そうでしょ」
「宗教団体の仕組みなんてね」
「大事なのは信仰で」
「何でそんなの言いだしたのか」
「どうも自分が偉いことを否定されて」
そうなってというのだ。
「それで色々しないといけないから」
「ああ、ふんぞり返っているニートには嫌だね」
「それでね」
「そんなこと言いだしたんだ」
「それで働いていなくて奥さんも出て行ったから」
そうなったので、というのだ。
「当然お金がね」
「ないよね」
「色々親戚にたかる様になって親御さんのお家、弟さんのご家族と一緒に暮らしてる」
「そこになんだ」
「自分は親の面倒見るつもりなくて逃げたけれど」
それでもというのだ。
「月に一回お昼の二時に今日行くって言って」
「行っていいかじゃなくて」
「行くって言ってね」
「行く様になったんだ」
「それでお邪魔しますも言わないで」
それでというのだ。
「ふんぞり返って偉そうな笑顔で来て」
「追い出したい気分になるね」
「偉そうに煙草吸って作ってもらったご飯食べてたの」
「本当に嫌になるね」
「ご飯四杯」
「大飯喰らいでもあったんだ」
「天理教の教会とかでもそんな風で当然お供えとかはね」
こうしたことはというのだ。
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