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第三章

「だから私もね」
「知ってるんだ」
「それでネットでいいホテル見付けたから」
「見付けたんだ」
「今日こそはって思ってたし」
 こうも言うのだった。
「それでなのよ」
「そのつもりだったんだ」
「そう、それでね」
「今からだね」
「行こう、ホテルにね」
「じゃあ」
 実は浩平も経験はある、高校時代に付き合っている彼女がいたが彼女が地方の大学に行って自然消滅していたのだ。
 だがホテルそれもこの場所にというのははじめてで緊張していた、そのうえで彩沙に対して言うのだった。
「俺ここに入ったのはじめてだし」
「そうみたいね」
「けれど遂に来たんだ」
「風俗店行かないのね」
「そうした趣味ないから」
 どうも性に合わないと思って金はあるが行ったことはないのだ。
「それでだよ」
「はじめてね、私は前の彼氏と一回ね」
「来たことあるんだ」
「その時はドキドキしたけれど」
「今はどうかな」
「二回目になるとね」
 それならというのだ。
「何でもないし。それじゃあ」
「今から」
「入りましょう」
「それじゃあね」
 二人で話してだった。
 浩平は生まれてはじめてその場所に入った、中に入って見てみるとだった。
 そこは異世界だった、それで彩沙に言った。
「うわ、ここは」
「凄いでしょ」
「何ていうか」
 それこそという口調で言うのだった。
「外から見るのとじゃ」
「全然違うでしょ」
「そうしたお店が一杯あって」
 道の左右には風俗店が看板そして料金やこうした店独特の呼び込みの言葉が書かれてそうしてそこにある。
「ホテルだって」
「独特でしょ」
「うん、凄くね」
「私も最初来た時驚いたわ」
「こうした場所だって」
「私隣の県から来てるけれど」
 この場所のある県にというのだ。
「地元にはね」
「ないね」
「こうした場所はね、だからね」
「驚いたんだ」
「噂以上だって」
 その様にというのだ。 
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