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神の宿る木

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第二章

「あらためてです」
「私の妻になってくれるか」
「そうさせて頂きます」
「わかった、では今からな」
 ヴィシュヌはラクシュミーに笑顔で応えた。
「その試練をはじめよう」
「それでは」  
 ラクシュミーはこう答えるとだった。
 姿を消した、ヴィシュヌは彼女がいなくなった場所を見つつ神々に顔を向けてそのうえで笑顔で言った。
「では私はこれよりな」
「ラクシュミー女神を探すか」
「何処かの木に隠れている女神を」
「そうするのか」
「私だけでな」  
 笑顔での言葉だった。
「そうする、それをはじめる」
「わかった、ではな」
「ラクシュミー女神を探すのだ」
「そして貴殿の妻とするのだ」
「その様にするのだ」
 神々もそれではと答えた、そうしてだった。
 アムリタを造った後でだった、ヴィシュヌはラクシュミーを妻とする為に彼女が隠れている木を探す旅に出た。
 あらゆる世界の木を一本一本神の力で見て旅をして回ったが。
 その木は中々見付からない、それで神々も言った。
「あらゆる世界のどの木か」
「そうなるとな」
「わかりにくいな」
「全くだ」
「ヴィシュヌ神ですらまだ見付けられずともな」
「それも仕方なきことか」
「今度は時間がかかるか」
「そうであるな」
「ははは、我等の時は無限ではないか」
 ヴィシュヌはそう言う神々に笑って返した。
「だからな」
「それでか」
「時間はかかってもいいか」
「そのうえで探すか」
「ラクシュミー女神を」
「これ位で音を上げるつもりはない」
 全くというのだ。
「だからな」
「これからもか」
「ヴィシュヌ女神を探すか」
「そうし続けるか」
「時間をかけてじっくりとことを行えばだ」
 そうすればというのだ。
「多くのことが為せる、だからな」
「よいか」
「探し続けるか」
「このまま」
「焦らずな、それにこの程度で心を乱しては夫婦でいられぬ」
 共にというのだ。 
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