おぢばにおかえり
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第七十八話 教会長さんその二十二
「だからよ」
「新一君のですか」
「あの子はちっちにとって掛け替えのない人の一人になるから」
こうも言われました。
「そうしてあげてね」
「何か去年からずっと言われますね」
思えばです。
「色々な人に」
「あの子のことをなのね」
「何でか会いまして」
同じ台協会所属でしかも同じ高校で、とです。
「それから」
「もうお引き寄せね」
「そうなんですね」
「完全にね、いいお引き寄せよ」
「そうですか」
「ちっちにとってもあの子にとってもね」
どうも先輩は新一君が嫌いではないみたいです、露骨に嫌い抜いていてあることないこと言い回ってる子でも。
「私は思うわ」
「だからですか」
「尚更あの子を大切にしてあげてね」
「先輩がそう言われるなら」
私も頷きました。
「そうさせてもらいます」
「是非ね、ただね」
「ただ?」
「あの子奥華では評判いいのね」
「誰も嫌ってないですから」
奥華の人達はです。
「毎日詰所にお顔出して」
「そうした子だからなのね」
「詰所でも大教会でも」
どちらでもです。
「人気があります」
「そうなのね」
「あと学校でも」
聞く限りではです。
「確かに好き嫌いは激しいですが」
「それでもなのね」
「明るくて気配りが出来る子だとのことで」
後輩の娘に言われました。
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