| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

X ーthe another storyー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十九話 合鏡その九

「丁さんが見たそれもね」
「あくまで運命の一つですね」
「そうだよ」
 丁にも答えた。
「本当に私達の動き次第でね」
「変わるのですね」
「何とでもね」
「ではもう一人のわらわの動きも」
「これで変わるよ」
「そうですか。ですが」 
 それならとだ、丁は言った。
「助かった筈の」
「空汰さんだね」
「彼はです」
「嵐さんのことだしね」
「動きます、そして」
「神威君がいるよ」
 北都は微笑んで答えた。
「そして封真君もね」
「本来の彼のままだからですか」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「意識してよ」
「彼を手にかけることはないですか」
「確かに人間が滅ぶ運命になる可能性は高くて」
 北都はこのことは認めた。
「まだね」
「その危険はありますね」
「もう一人の丁さんがいるから」
「そうですね」
「けれどね」
 それでもというのだ。
「きっとね」
「それはですね」
「空汰君も生きて」
 そしてというのだ。
「最後は神威君と封真君がね」
「何とかしてくれますか」
「二人ともそのつもりで全力で動いていて」
「力もある」
「だからね」
「人間は滅びず」
「世界もね」
 どちらもというのだ。
「続いていくよ」
「そうなりますか」
「きっとね、二人共希望は持っていなかったけれど」
 絶望、それだけがあったというのだ。今も北都と二人の表情は全く違う。まさに希望と絶望の違いがあった。
「希望はいつもね」
「ありますね」
「そうだよ、人が見えてなくても」
「常にありますか」
「色々大変なことがあっても」
 それでもというのだ。
「いつもね」
「希望はある」
「そうだよ、そして希望はね」 
 今語っているこれはというのだ。
「強いよ、何よりもね」
「そうですか」
「うん、色々な大変なことよりも」
「あらゆる災厄よりも」
「強くてね」
 それでというのだ。
「退けてくれるよ」
「ではわらわ達は」
「希望を持ってね、手を打ったし」
 牙暁を見て話した。
「後はね」
「どうなるかを見守る」
「そうしよう、今はね」
 また牙暁に話した、そしてだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧