X ーthe another storyー
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第四十九話 合鏡その八
「嵐さんと一緒にいる」
「空汰にもか」
「戦えないにしてももう動けると思うけれど」
「激しい運動は無理だがな」
神威もこう答えた。
「卿から少し位はな」
「それならね」
是非にというのだった。
「彼にもね」
「話すことか」
「僕が話そうか」
「俺が話す」
神威は一言で答えた。
「仲間だからな」
「仲間同士で話すのが一番だね」
「だからな」
それでというのだ。
「俺からだ」
「ではね」
「あんたは敵になるが」
地の龍だからだというのだ。
「悪意も敵意も感じない」
「何を感じるのかな」
「不安と心配それに善意だ」
そうしたものを感じるというのだ。
「だからだ」
「信じられるかな」
「ああ、地の龍も人間だ」
紛れもなく、そうした言葉だった。
「善意を出す時はだ」
「出す」
「あんたにしてもな、それなら尚更だ」
「そう言ってくれるんだね」
「そうだ、ではな」
「それじゃあ」
「空汰と話して何かあればだ」
その時はというのだ。
「行く、そしてだ」
「彼女をだね」
「護る、仲間だからな」
「そうしてくれるね」
「だが俺よりもな」
「彼女ならね」
「空汰だ」
彼の名前をまた出した。
「何と言ってもな」
「そうだね、彼こそがね」
「誰よりも嵐を救うべき人間だ」
「そうだね、ただ」
「あいつの運命か」
「救われたと思っても」
その運命からだ。
「しかし」
「戦いが行われている限りはか」
「危ういから」
「ならその時も俺がいる」
これが神威の返事だった。
「絶対にな」
「そして防ぐんだね」
「そうする、そしてな」
そのうえでというのだ。
「二人共だ」
「生き残る」
「そうなる様にする、ではその為にな」
「宜しくね」
「動く」
こう話してだった。
神威は深い眠りに入った、牙暁はそれを受けて北都達のところに戻った、そのうえで神威とのやり取りを話した。
するとだ、北都はこう言った。
「そう、私達が動いたら」
「運命はだね」
「変わっていくよ、牙暁ちゃんが見た夢も」
そこにある運命もというのだ。
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