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X ーthe another storyー

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第四十九話 合鏡その二

「だからな」
「いいのね」
「嵐が行ってもな」
 それでもというのだ。
「いい」
「そうなのね」
「終わらせてくれ」
 戦いをというのだ。
「嵐がな」
「ええ、それではね」
「それでな」
「それで神威ちゃん」
 小鳥が神威に顔を向けて言ってきた。
「お父さんだけれど」
「確か快方に向かっていたな」
「ええ、あと少しで歩ける様にもなって」
 神威に微笑んで話した。
「退院もね」
「出来る様になるか」
「そうなるわ」
「それはよかった、心配だった」
 神威も微笑んで応えた。
「どうなるか」
「命に別状はなくても」
「かなりの怪我だったからな」
 このことは事実だったからだというのだ。
「本当にな」
「神威ちゃんも」
「心配だった、しかし」
「もうね」
「大丈夫だな」
「ええ」
 そうだというのだ。
「だから三人と神威ちゃんでね」
「またあの神社でか」
「一緒に過ごせるわ」
「おじさんにずっと失礼な態度を取っていた」
 神威はこのことは申し訳ないと思いつつ答えた。
「そのこともな」
「謝りたいのね」
「そうしたい」
 絶対にというのだ。
「俺もな」
「だったらお父さんのお見舞いに行って」
 小鳥はそうしてと提案した。
「それでね」
「そこでか」
「謝ったら?」
「そうだな」
 神威は微笑んで頷いた。
「それならな」
「うん、明日にでもね」
「あの人のところに行ってな」
「お見舞いでね」
「謝ろう」
「そうしようね」
「是非な、何かな」
 神威は今度はこう言った。
「俺はどんどん周りの環境が変わっていっているな」
「そうなってるのね」
「よくなっている」
「そうなのね」
「そう感じている、それならな」
 さらに言うのだった。
「この環境をな」
「大事にしたいわよね」
「ああ」
 そう考えているというのだ。
「俺もな」
「じゃあそうしていこうね」
「小鳥も協力してくれるか」
「私でよかったら」
 これが小鳥の返事だった。 
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