星河の覇皇
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八十五部第四章 メキシコの思惑その十八
「要人警護にです」
「中国警察が動員されていますが」
「中央警察もです」
中央政府管轄の彼等もいうのだ。
「動員されていて」
「警備にあたっていますね」
「はい」
実際にというのだ。
「共に」
「いがみ合いつつも」
「そうしています」
「対立しつつもですね」
「協同してもいます」
「それもまた」
アラガルはシニカルに笑って述べた。
「実にですね」
「連合的とです」
その様にというのだ。
「思いました」
「言われてみますと」
「そう思われますね」
「はい」
こうドトールに答えた。
「私も」
「いがみ合いつつも」
「同じ国の中にある」
「同じ国の人間でもあります」
「それがですね」
「連合的です」
アラガルも述べた。
「実に」
「左様ですね」
「はい、言葉は同じで」
銀河語でというのだ。
「貨幣も同じで」
「そして度量衡も」
これもというのだ。
「同じで」
「メートルやトンで」
「同じ国としてです」
「やっていけていますね」
「そうしたものが同じですと」
「はい、同じ国としてです」
ドトールはアラガルに述べた。
「やっていけます」
「そうですね」
「国家間に関税はないですし」
連合のである。
「如何に衝突しても」
「連合の中のことで」
「武力衝突にも至らない」
「だから安心は出来ますね」
「最悪の事態には至らないので」
武力衝突にはというのだ。
「安心は出来ますね」
「最後の最後はないだけに」
「揉めても連合が分裂したり崩壊はしない」
「それならです」
「まことにそうですね」
ドトールはこうも言った、そうして自分の席のところにあるコーヒーを飲んでから応接のソファーにいるアラガルに問うた。
「それでなのですが」
「私のことですね」
「今はこれといってですか」
「現場でのことがなく」
それでとだ、アラガルは話した。
「それで、です」
「書類仕事が主ですね」
「仕事はあります」
アラガルはそれはと述べた。
ページ上へ戻る