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夢幻水滸伝

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第三百二十八話 時間を操る力その八

「まことに」
「そうしたことも考えると」
「逃げることもです」
「勇気ですね」
「勇気とは決断です」 
 市長はまた言い切った。
「そしてミッチェル様はです」
「その勇気を持っていますか」
「そうです」 
 まさにというのだ。
「戦うことについても、その勇気を持ってです」
「戦うことですか」
「そして政もです」
「励んでいますか」
「はい、ただ気になったのは」 
 ここで市長はミッチェルの服のポケット、前にあるそれを見て話した。
「ミッチェル様は神具はあまり使われないですね」
「バンダースナッチの時計ですね」
「ご自身の任意の場所の時を操れますね」
「速くしたり遅くしたり出来ます」
「止めることも出来ますね」
「はい、そして」
 それにというのだった。
「知力や政治力を上げてです」
「術も強くしますね」
「特に時魔術師の術を」
「かなりのものですね」
「それをどうしてあまり使わないか」
「ここぞという時にしか使われないですね」
「持っているだけやと何でもないです」 
 ミッチェルは市長に微笑んで話した。
「それやとです」
「知力や政治力を上げるだけですか」
「はい、そやけど使いますと」 
 そうすると、というのだ。
「結構気力を使います」
「そうなのですか」
「術は戦闘とかになると頻繁に使いますね」
「特に魔術師系の職業だとそうですね」
「あたくしその魔術師系の職業です」
 時魔術師だというのだ。
「そやからです」
「みだりにはですか」
「使いません、切り札は切り札です」
 それに他ならないというのだ。
「お仕事の時もです」
「普通にされて」
「使わない様にしています」
「そうなのですね」
「強い力はそれなりのリクスがありますね」
 今度はミッチェルから言った。
「どうしても」
「はい、強いなら強いで」
「それは神具も然りで」 
 それでというのだ。
「あたくしの神具といいますかどうもです」
「神具自体がですね」
「リスクもあるので」
「ここぞという時にですね」
「使う様にしています」
「そうですか」
「はい、そういうことで。知力と政治力を上げるだけで」 
 持っていてというのだ。
「かなりですし」
「いいのですね」
「そうです、ほなこれからも」
「州の統一をですね」
「進めていきます、政も戦もして」 
 そうしつつというのだ。
「少しずつでもです」
「勢力を拡大していき」
「州を統一しましょう」
 こう話してだった。 
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