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第百九話 四人で話すことその一

                第百九話  四人で話すこと
 四人は家に帰ろうとした、だがここで富美子の携帯が鳴ったので彼女が出ると電話をかけてきたのは姉でこんなことを言ってきた。
「今どうしてるの?」
「お店から出てきて帰る途中だけれど」
 富美子は正直に答えた。
「帰る時間遅い?」
「別に。ただね」
「ただ?」
「あんた達かなり酔ってるでしょ」
 富美子にこのことを言ってきた。
「そうでしょ」
「ええ、実はね」
「そのままだと二日酔いになるから」
 だからだというのだ。
「皆うちに呼んでね」
「それでなの」
「お風呂に入って」
 そうしてというのだ。
「お酒抜きなさい、身体も奇麗にしなさい」
「それでなのね」
「カラオケボックスから団地に入ったらうちが一番近いでしょ」
「だから余計になの」
「まずはうちに寄って」
 そうしてというのだ。
「お風呂に入って」
「すっきりして」
「帰りなさい、いいわね」
「それじゃあ皆連れて行くわね」
「お風呂用意しておくわね」
 姉はここまで言うと電話を切った、そうしてだった。
 富美子は電話を切るとだ、一華達三人に話した。
「うちに寄ってお風呂入れってね」
「いいの?入っても」
「何か悪いわね」
「お風呂ご馳走になるなんて」
「あれでしょ、お姉ちゃんも入るし」
 それでとだ、富美子は三人に話した。
「それで私もだし」
「だからなのね」
「私達もなのね」
「そういうことね」
「今うちお父さんとお母さん二人で有馬までお付き合いで一拍で行っててね」
 それでというのだ。
「いないし」
「美奈代さんと富美子だけね、お家にいるの」
「それでなのね」
「余計に誘ってくれたのね」
「そうなの、それで」
 だからだというのだ。
「どうするの?」
「そうね、じゃあね」
「折角の美奈代さんのご好意だし」
「それじゃあね」
 三人で話してだった。
 富美子の部屋に寄った、すると赤いジャージ姿の美奈代が四人を玄関で出迎えてそのうえで言ってきた。
「かな恵ちゃんは?」
「成海っちに連れられて帰ったわ」 
 富美子が答えた。
「あの娘だけはね」
「いい彼氏さん持ったわね」
 美奈代はその話を聞いて微笑んで述べた。
「つくづく」
「そうよね」
「ええ、それであんた達は彼氏さん呼ばなかったの」
「成海っちは直感で来たから」
「呼ばれないで?」
「そう、それでね」
「それは凄いわね」
 美奈代はここまで聞いて少し驚いて述べた。 
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