| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

新オズの臆病ライオン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六幕その十二

「一六〇以上投げてその変化球って」
「無茶苦茶だね」
「それで打ったら三割近くは打って」
 今度はバッターとしての大谷さんのお話でした。
「シーズンホームラン四十本は打って守備もよくて足も速いんだ」
「オズの国でもそんな人いないよ」
「漫画の主人公でもね」
 皆さらに驚きました。
「もう何ていうかね」
「有り得ない人だね」
「この大谷さんならね」 
 神宝はさらに言いました。
「その時のライオンのチームだってね」
「勝てたんだ」
「その人がいたら」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「僕はそう思うよ」
「その人も何時かオズの国に来てくれるよ」
 臆病ライオンは絶対にと言いました。
「そうなるよ」
「そうなんだね」
「そんな夢みたいな人はね」
 それこそというのです。
「オズの国に来ない筈がね」
「ないんだね」
「うん、だからね」
「大谷さんは」
「絶対に来てくれるよ」 
 大阪にというのです。
「本当にね」
「そうなるんだね」
「絶対にね、しかしそんな人もいるなら」
 臆病ライオンはあらためて思いました。
「是非ライオンのチームに入って欲しいよ」
「いやいや、虎のチームだよ」
 腹ペコタイガーは負けじと言いました。
「そうした人はね」
「そう言うんだ」
「言うよ」
「ああ、その人熊のチームの人なんだ」
 神宝は言い合う二人に笑って言いました。
「だからね」
「僕達のチームにはなんだ」
「来ないんだ」
「そうだよ、残念だけれどね」
「それは残念だね」
「全くだよ」
 二匹は神宝のお話にがっかりとなりました、ですが食べることは止まりません。
「そんな凄い人が来てくれたら」
「僕達のチームにね」
「それはね」
「どうにもだよ」
「それは仕方ないよ、しかし大谷さんが来てくれるなら」
 オズの国にというのです。
「僕達と一緒に」
「楽しみだね」
「その時は」
「うん、そしてね」
 来てくれたその時はというのです。
「是非ね」
「活躍して欲しいね」
「こちらの世界の野球でも」
「そうして欲しいよ、兎に角凄いんだ」
 大谷翔平という人はというのです。
「驚くしかない位に」
「聞いてるだけで凄いわ」
 ドロシーも唸るばかりでした。
「実際にね」
「そんな人がいるなんてですね」
「オズの国でもよ」
「そんな人いないですか」
「いないわ」
 全くという返事でした。
「そんな人はね」
「そうなんですね」
「ええ、凄い人もいるものね」
「世界の野球界で評判になっています」
「それも当然よ、一度お会いしたいわ」
 ドロシーは心から思いました、そうしたお話もです。
 お昼ご飯を食べながらしてそれが終わりますと。
「それじゃあ今からね」
「うん、お昼寝出来る人はね」
 臆病ライオンがドロシーに応えました。
「今からね」
「お昼寝しましょう、木と木の間にハンモックを吊って」
 そうしてというのです。
「それか安楽椅子を出すか敷物をして」
「その上でね」
「寝ましょう」
「そうしようね」
「今から皆でね」
 こう言って早速でした。
 皆で空中庭園に用意されたそうしたものを出してでした。
 気持ちよくお昼寝をしました、そしてお茶の時間になると皆自然に目を覚まして今度はティータイムを楽しんだのでした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧