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X ーthe another storyー

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第四十八話 見舞その六

「また会いましょう」
「はい、また」
 護刃はにこりと笑って応えた、この言葉を最後に双方は別れた。
 そして火煉が入院している病院に向かう道中でだ、神威はクランプ病院の方を振り返って護刃に話した。
「随分変わったな」
「はい、颯姫さんも」
「前は機械、コンピューターみたいだったが」
 それでもというのだ。
「しかしな」
「今はですね」
「随分と柔らかくなってだ」
「暖かくなりましたね」
「そうなったな」
「そうですよね」
「人間を知ったということか」
 神威は少し考える顔で述べた。
「あいつも」
「そうなんですね」
「そう思った、しかしな」
「それがですね」
「いいことだな」
 こう言うのだった。
「本当に」
「それはそうですね」
 護刃も否定しなかった。
「実際私今学校でもです」
「あいつとはか」
「前よりも普通にお話しています」
「そうなったか」
「食堂とかで」
「そうなったか」
「本当に以前よりもです」
 それこそというのだ。
「お話もです」
「柔らかく暖かくなってか」
「そうなりまして」
「付き合いやすいか」
「何か今ふと見ても」
 学園の中でというのだ。
「クラスメイトの人達とも一緒におられて」
「仲良くしているか」
「そうしています」
「変わったか、人間は幾ら優れていてもな」
「人間ですね」
「それ以外の何でもない」
 神威はこうも言った。
「だからな」
「それで、ですね」
「あいつがそうなっていることはな」
「いいことですね」
「そう思う、敵同士でもな」
 そうした間柄でもというのだ。
「いいことだと思う」
「そうですよね、私も」
「知り合いが地の龍だったな」
「はい」 
 神威に俯いて辛い表情になって答えた。
「草薙さんは」
「その人はどうなった」
「大怪我をしまして」
 先の戦いのことを話した。
「それで今は自衛隊病院にです」
「入院しているか」
「そうだと思います」
「なら行ってきたらどうだ」
 神威は護刃に顔を向けて彼女に提案した。
「その人のところにな」
「行って来ていいですか?」
「友達だな」
 護刃に顔を向けてこうも尋ねた。
「そうだな」
「そうです」
 護刃の返事は一つだった、それ以外はなかった。 
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