リュカ伝の外伝
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トモダチ100人できそうだね?
(グランバニア城)
ルディーSIDE
「そっかぁ~……待つしか無いですよね」
残念で仕方ない!
「社長。私この後はプービルのスタジオに戻るつもりなんですけど、多分メンバー皆は居ると思うんですよ。もし問題が無いのでしたら彼を連れて行って、その場で『サウダージ』を演奏して録音したのをあげたいのですが良いですか」
え! 嘘!? 良いんですか??
「まぁ構わないよ。CCの原料も無料じゃ無いけどそんなにコストはかかってないし……ってか今日は休んで良いって言ったのに、皆居るの? 何で? 休みの日は休もうよ」
「きっと居ますよ。皆昨晩は興奮してましたし、直ぐにでも次のステップに行きたがってますからね」
す、凄い……
もしかして僕はこれからプリ・ピーの方々に会えるんですか!?
「え、CCって簡単に作れるの!? 私も作りたい! そして売りまくりたい!!」
マリーちゃんはCCに興味があるらしく、僕と一緒にプリ・ピーのスタジオに行きたがっている。
正直来ないでほしい。
「別に僕等のスタジオに来なくても録音機器さえ購入すれば、ここで出来るだろ! お前は散らかすから僕の事務所には来てほしくない!」
「何よぅ、じゃぁ録音機器を頂戴よ!」
「それはそっちのスポンサーに言えよ。奴が経費だか自腹だかでPONYから録音機器を購入するだろ! それをここに設置しても良いし、城下に事務所を構えてスタジオも用意すれば良いし、それはそっちの勝手だよ。アイツ金持ってるんだろ、知らんけど?」
「なるほどそうよね! じゃぁ早速ウルフのとこに行きましょう。ピエッサも行くわよ、ここじゃ無くてプロダクション事務所も用意しちゃいましょうよ!」
色々と物欲が溢れてきたマリーちゃんは、自分だけの意見を押し通すつもりだろう。
ピエッサさんの腕を強引に取り部屋を出て行った。見た目は可愛いのになぁ……
「でも今はウルフも何もしてくれないと思う」
マリーちゃんが完全に出て行くのを確認してからリュカ様の呟き。
狡くないですか?
「最近ちょっとした事件があって、この国の飲酒に関する新たな法整備をお願いしてるから、そんなに暇じゃ無いと思う。ウルフの仕事が遅れたら僕がチクチク嫌味を言うし……(笑)」
「あらら、流石は天才宰相閣下ですわね。お忙しいようで(笑)」
ウルフ閣下が可愛そうに思えたが、リュカ様からもアイリーンさんからも、そんな気は微塵も感じない。
「しかしそうなると陛下も忙しいんじゃないですか? 良いんですか、こんなところで社長をやっていても?」
「僕? 僕は大丈夫だよ。だって優秀な宰相を置いているわけだし、面倒事は全部アイツにお任せさ」
優秀すぎるのも考えモノだな。
「それに僕は僕でやる事が山積みだよ。何故か外国であるラインハットのアルカパって町の事にも関わっちゃてるからそっちの視察もしなきゃだし、正式にMPを売り出したからPONYの視察もしなきゃだし……」
「なるほど……では社長は今日は事務所には来られないのですね?」
「うん。申し訳ないけど今日は無理かな? だから皆には休んでもらいたかったんだけどね」
でも皆さんは集まっている様子。頑張ってるなぁ、凄い。
「では以前に議題に上がった“事務所名”と“看板”の方に手配は私たちでやってしまっても良いですか?」
事務所名って……ポスターにも書かれている『GEO』だよね。
「ゲ○って呼ぶなよ。それだと意味が変わってくるから(笑)」
僕が気になってポスターを確認しているとリュカ様が笑いながら訂正してきた。略し読みしちゃ駄目らしい。ちゃんと“ジー・イー・オー”と言わなくちゃ。
「看板は業者に頼むのかな?」
「いえ、私の知り合いに宮廷画家が居ますからやらせようかと思ってます。まぁ夕食でも奢ればやるでしょう」
え、わざわざ宮廷画家の人に頼むの!?
「あ、あの……もしご迷惑でなければ僕に描かせてもらえませんか? も、勿論お代なんて頂きません! まだ駆け出しですけど、僕も芸高校で美術科を専攻してますから!」
「え、良いの? 悪いねぇ……じゃぁ頼むよ。事務所ビルの正面口にチョロッと飾る程度の物だから気張らなくて良いよ」
やった! 僕もプリ・ピーの役に立てそうだ!
「あ、でも祖父さんには言うなよ。後で何を要求されっか分かんねーから(笑)」
さ、流石にお祖父様だって何も言わないよ……ねぇ?
(グランバニア城下町:プービル)
グランバニア城の南東の城壁端から歩いて3分。
でもその城壁まで城内の娯楽室から歩いて20分以上……
ほぼほぼ30分くらい使ってやってきたGEOの事務所。
ここの入り口の所に看板を掛けるんだな。
材料はすでに用意されていて、ビルの屋上に置いてあるらしい。
作業もそこでやっちゃおう。
アイリーンさんに導かれてビル内に入る。
本当に他のメンバーさんが来ているのかな?
内部は静まりかえってるけど。
「こっちよ。多分皆2階で練習してるはずだから」
そう言って入って直ぐの階段を上がっていくアイリーンさん。
少し短めのスカートから見える白く美しい足に目が行ってしまう(照)
2階に上がり角を曲がると直ぐに重厚な鉄扉が見える。
アイリーンさんが全体重(多分軽いはず)をかけて開けると、中にも同じような鉄扉があって二重構造の防音設計になっている。城内と同じだ。
でも一枚の鉄扉を通っただけで、中からは大きな音楽が聞こえてきた。
本当に皆さんは来て練習しているんだなぁ……
流石はプロである。僕もこういう姿勢は見習わないとね。
2枚目の鉄扉を開けて通ると中ではアイリーンさん(ヴォーカル)以外の皆さんが練習をしていた!
昨日のコンサートの様にステージ衣装を着ているわけではないのだけど、皆さん各々がスタイリッシュで格好いい。
Tシャツ姿だったりと汗をかくからラフな格好でそれぞれの楽器を演奏している。
でもガールズバンドって事で男の目を気にせずに、上半身は下着(濃紺のスポーツブラ?)で演奏している人も居てビックリしてしまった。
目が合ってしまい思わず「ごめんなさい!」と言って顔を背けました。
凄く胸の大きい人だったので、忘れられないと思う。
「ちょ、急に誰!?」
「そんな格好で練習してるからでしょ。社長だって来るんだから、気を抜かないの!」
アイリーンさんは手近にあった誰かの(多分ご本人の)上着を投げつける。
確かにここはリュカ様のスタジオみたいだけど、ちょっと刺激的すぎる格好なのでは?
「しゃ、社長は良いのよ! 真っ裸を見られたって恥ずかしくないし、むしろ……でもその子は知らん子だし!」
「は~い。ではご紹介しま~す、この子はルディー君。昨日の私たちの演奏を聴いてファンになってくれた芸高校美術科の一年生で~す。陛下と社長の事も知っているお利口な子です。今回入り口に掛ける看板を描いてもらえる事になりました。あと城内のポスター回収とかも手伝ってくれたので、社長よりの指示でお礼として『サウダージ』のCCを新たに録音してプレゼントします」
「あ、あの……急に来てしまってごめんなさい。そ、その……よろしくお願いします!」
「まぁ気にしてないわよぉ~。でも私のデカいからオカズにしちゃうよね~?」
すみません! 多分します!!
「やめろバカ女! あんた一人で私たちメンバー全員の品位を下げんな!」
「うはっ(笑) リーダー酷~い。一応私の方が年上よ~ん?」
え、アイリーンさんがリーダだし一番年上なんだと思ってた……大人っぽいお姉さんだし。
「……簡単にメンバー紹介しておく?」
僕は顔に考えが出ていたのかもしれない。
アイリーンさんが僕の顔をのぞき込みながら提案してくれた。
是非ともお願いしたいです!
そんな思いで激し目に首を縦に振る。
「じゃぁ各々自己紹介をしましょう」
ルディーSIDE END
後書き
略したらゲ○になっちゃったw
○オとは無関係ですので!
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