わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ
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8-4
金曜日、桜子先輩がもう一人の女子を連れてきていた。比較的、大柄の女の子なのだ。
「ウチの小学校からの親友でね 誘ったんよ 実は 訳あって、あんまり学校に来てなかったんやけど・・・無理やり引っ張り出したの あんまり、しゃべらないで、ちょっと 乱暴なとこあるけど」
「さくら ウチ 乱暴なんとちゃうでー」と、篠崎美玖ですと自己紹介していた。
この日は、紅林先生も練習に参加してくれていて、タックルバッグを使っての練習とか、ぶつかりながらのパスの練習をしていて、みんなも気合が入っていた。
バッグに突進していって、ぶつかりながら次にパスをして、私がその次にパスを受けて、泉希に繋ぐのだけど、桜子先輩の時に
「さくらぁー パスだすのが 早すぎるんだよ もっと 相手にぶつかってからー」と、璃々が声を出していて・・・だけど、その後も桜子先輩はそんな調子で・・
「もぉーう 早いんだって! だからぁー 相手もパスのボールを追いかけてくるよ もっと、自分を犠牲にしても相手にぶつかっていって、ボールを生かしてよね!」と、今度は強い言い方だった。私も、璃々・・・と、思っていたのだけど。
その後、その美玖先輩という人は、思いっきりが良いのか、バッグにも思い切りぶつかって行ったり、走るのも結構速いのだ。パスするときなんかも片手で相手に届いたりもするのだった。黙々と練習メニューに取り組んでいた。
その日の練習を終えて、先生が引き上げた後、美玖先輩が璃々を呼んで
「あのなー さくらはあんた等の先輩やでー それも、バスケットのエースなんやでー さっきのん なんやねー もっと 言葉づかい 気つけぇーなぁー このぉー」
璃々は唖然として、言葉が出てこなかったみたいだけど、桜子先輩が
「ちゃうんよ 美玖・・」と、言いかけた時、私が
「あんなーぁー グラウンドに入ったら 先輩後輩は関係ないねん みんな仲間やー」と、美玖先輩の前に出て行ったら
「なんやー お前 えらそうにー ウチはこいつにゆうてんねん 引っ込んでろー」
「みんなで指摘しあって、頑張るんやー そんなん 遠慮してたら ウチ等 つよーうなられへんでー そやから、璃々も・・」
「うっさいわー」と、拳で私の肩を突いてきたので、私は・・・咄嗟に突進していって、相手を掴まえて、その時に頭突きみたいになってしまって、口元に当たってしまったみたい。美玖先輩が口を抑えて、かがみ込んだら、その上から覆いかぶさるようにして、拳を振り上げた時、その腕に泉希がしがみ付いて止めていたのだ。
「ふたりとも ウチのことで そんなん やめてー 美玖 キャンキャンズは皆 仲間なんやー 上も下も無い そやから、ウチは親友やと思うから美玖を誘ったんやでー 一緒にやりたいと思って・・・あっ 美玖 唇 血が」
「これくらい平気やー さくら ごめんな ウチ つい カーァとなってしもてー 考え 甘かったなぁー さくらも気持ちもわからんと」と、言う美玖先輩の唇からは血が滲み出ていた。
「ごめんなさい ウチ・・・ でも みんな仲間で頑張ってるから・・ 遠慮なしに・・・ それだけはわかってほしくって・・」と、私は頭を下げていた。
「ううん わかったわ あなた達の気持ち さくらもウチのことを思って誘ってくれたんだし ウチのほうこそ ごめんなさい 余計なこと言ってー 今日は 気持ち良かった スッキリした気分ヨ」と、帰って行った。彼女はラグビーの為だけに学校に出てきたみたいだった。
「桜子先輩 ごめんなさい ウチ せっかく、連れてきてくれたのに・・」
「いいのよ あれで! 彼女はね 不登校気味になっていて 最近は良くない連中と遊び始めているみたいなの ウチ等 仲良しでね だけど、ウチがバスケットに夢中になっていったでしょ 彼女 もともと あんまりしゃべらないから クラスでも孤立してったみたいで、段々と学校に来なくなって ますます 誤解されてさー でも 今日 吹っ切れたんじゃぁないかなー」
「そーなんですか でも ウチ もっと ちゃんと 謝らなくては・・」
「いいのよ 後は、彼女の問題だから・・・ それより ウチも決めたわ さっき 璃々が遠慮無しに ウチのこと 怒鳴ってた 仲間って認めてくれているってことよねー 美玖もきっと感じたわよ あの子 仲間ってことに飢えてるからネ それと みゅん 先輩ってよしなさいよ! 月曜日 バスケットのほう 退部届出してくるわね 多分 美玖と一緒に入れてもらうと思うわ キャンキャンズ」
私達は、桜子先輩に向かって身体をぶつけていって、歓び合っていたのだ。
そして、帰り道で泉希に
「ほんまに みゅんには ハラハラさせられるわー 活気あるんだかー なんだかー ふだんはちゃうのにー 友達のことってなると、急に・・・ あんなん先生に知れたら、大騒ぎやでー」
「ごめん 反省してます ありがとうネ 泉希」
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