星河の覇皇
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第八十五部第三章 北京星系を見てその五十三
「腹を割ってな」
「これはいいことですね」
「盗聴の危険を取り除く前提がありますが」
「それでもですね」
「いいことですね」
「何もかも話せる」
自分の中にあるものがというのだ。
「だからな」
「非常にいいですね」
「実に」
「全くですね」
「政治の話でもな」
それをするにもというのだ。
「こうしてだ」
「腹を割ってですね」
「話して考えて」
「そして決められますね」
「実にいい、私はサウナが好きだ」
この風呂がというのだ。
「存分に汗をかけてな」
「こうして腹を割って話せる」
「だからですね」
「お好きですね」
「大統領も」
「そうだ、だからだ」
それでというのだ。
「好きだ、他国の政治家ともな」
「こうしてですね」
「お話されますね」
「国賓の方にも」
「そうされますね」
「政治では陰謀は常だが」
それでもというのだ。
「こうしてだ」
「腹を割って話すこともですね」
「必要ですね」
「こうした場があれば」
「左様ですね」
「そうだ、時と場合による」
こう言うのだった。
「腹を割って話さねばならない時はだ」
「政治の場でも」
「陰謀が常の世界でも」
「それで、ですね」
「大統領もですね」
「こうして話すのだ、だが」
グリーニスキーはこうも言った。
「それが出来るのはな」
「同性のみですね」
「男性だけですね」
「これは女性相手では出来ないですね」
「とても」
「例え水着を着ていてもな」
それでもというのだ。
「誘いをかけただけでな」
「問題になります」
「国際的なスキャンダルです」
「セクハラとして大騒動です」
「そうなるからだ、だからこうした話をすることはな」
サウナの場を使ってというのだ。
「やはりな」
「限られていますね」
「どうしても」
「左様ですね」
「相手が男性のみの場合ですね」
「そして同性愛者ではない」
この条件も必要だというのだ。
「そこまで揃ってな」
「そうしてですね」
「ようやく話が出来ますね」
「裸で腹を割って」
「サウナ室で」
「それが出来る、そしてそうした相手とはな」
それこそ他国の政治家でもというのだ。
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