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神々の塔

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第四十七話 諦めないことその十二

「それで我慢出来ん様になったら」
「水風呂や」
 それだとだ、施は言った。
「それで身体冷やす」
「そこでも酒抜けるしな」
「それでやな」
「冷え切ったらな」
「また湯舟かサウナに入る」
「それを繰り返せば」
 そうすればというのだ。
「もうな」
「すっきりするわ」
「そやな、ほなな」
 施はまた言った。
「今は風呂に行こうな」
「絶対にな」
「さもないとや」
 施も死にそうな顔だ、その顔で這う様にして前に進んでいるのは彼にしても同じだ。
「一日ずっとやな」
「頭痛くてな」
「身体だるいな」
「どうにもならんわ」
「戦どころやないな」
「そや」 
 まさにとだ、中里は話した。
「もうな」
「死にそうでも酒を抜く」
 トウェインは言った。
「そうせんとな」
「どうにもならんわ」
「その代わり酒を抜いたら」
「もうな」 
 それでとだ、中里はトウェインに話した。
「嘘みたいにや」
「元気に動けるな」
「そうなるわ、そやから行くで」
「今は」
「そしてな」
 中里はさらに話した。
「風呂の後は水をな」
「盛大に飲むことやな」
「今かてな」
 この状況でもというのだ。
「水はな」
「飲むことやな」
「二日酔いは風呂にや」
 これに加えてというのだ。
「水や」
「水分不足でなるしな」
「そや、二日酔いは酒の中のアルコールでや」
「身体の中の水分が出てなるや」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「水を飲むこともな」
「忘れたらあかんな」
「そういうことや」
 中里は頭が鈍い痛みで襲われ身体全体を倦怠感が覆う中で進んでいた、そうしながらそのうえで進み続けている。
「そやから入る前にな」
「飲んで」
「そして入ってからもな」
「飲むな」
「そうするんや」
 まさにというのだ。
「今はな」
「ああ、水も飲まんとな」
 メルヴィルが応えた、尚十人共今はパジャマ姿である。宿屋のそれでありズボンとシャツという恰好だ。
「あかんわ」
「そや、酒も抜けるし」
「水分補給にもなる」
「ええこと尽くめや」
 そうだというのだ。 
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