神々の塔
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第四十六話 女帝達その七
「長安に行かずに洛陽に留まる為にも」
「利用したんやね」
「そんな性格の奴とかな」
「他にもやね」
「鍾会とかな」
「あの蜀を滅ぼした」
「その後で叛乱起こしたな」
姜維を配下にしたうえでだ、彼に唆されて叛乱を起こしたというが司馬昭は元々そうすることを見抜いていたという。
「尊大で讒言もするな」
「性格の悪い人やったね」
「司馬氏が用いたのはな」
「そうした人達やね」
「それでや」
「統一しても」
「すぐにあかん様になったわ」
芥川は冷めた声で話した。
「皇帝は遊び惚けてな」
「後宮に入り浸って」
「それでそんな家臣がおって」
「変な皇后さんが出て」
「挙句身内で争ってな」
八王の乱である、皇室の者同士で殺し合い戦い晋は忽ち崩壊状態に陥った。
「そこで異民族に攻められてな」
「滅んだね」
「そや、まあ魏もな」
芥川は微妙な顔で話した。
「すぐにあかん様になったけどな」
「晋とはまたちゃうね」
「あそこは皇室の評判がよおなかった」
そうだったというのだ。
「宦官の出でな」
「ああ、曹操さんのお祖父さんな」
中里が応えた。
「そやったな」
「しかも奥さんがな」
「身分が低かったりで」
「当時の貴族や知識人から好まれてなかった」
「曹操さんのお家はな」
「当時は家柄が重視されてた」
よくある話であるが中国でもそうした話があるのだ、家柄がものを言うのは日本でも欧州でも特に欧州ではよくあることだった。
「清流か濁流か」
「その区分にもなってたな」
「曹操さんは漢王朝建国の功臣の家でもな」
「宦官の家の出で」
祖父がそうで父は夏侯家から養子に入っている。それで曹操は曹家だけでなく夏侯家も身内にしているのだ。
「しかもやな」
「奥さんの身分も低くて」
「よく思われてへんかったな」
「それで袁紹さんとも友達になれたんや」
「あの人もな」
「お父さん傍流でな」
四代三公と言われた名門袁家の者であったがだ。
「しかもお母さん側室さんやった」
「名家のあぶれモンやったな」
「嫡流は袁術さんやった」
それを袁術もよく言っていた。
「袁紹さんはとても名門とは言えんかった」
「それで曹操さんと友達になったな」
「お互い同じ様な立場やったからな」
「それで曹操さんの家はやな」
「支持を得られてへんでな」
当時の支配階層からだ。
「次第にな」
「司馬氏が支持されたな」
「名門で奥さんの出もよかったからな」
代々そうであったのだ。
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