ハッピークローバー
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第百六話 浮気者その十一
「また離婚することがね」
「目に見えてるわね」
「そうなるでしょ、若し懲りてるなら」
不倫の結果離婚して色々あってというのだ。
「相手と再婚しないしね」
「反省してないならね」
「同じこと繰り返して」
そうしてというのだ。
「また離婚よ」
「そうなるわね」
「それで周りからはね」92
それこそというのだ。
「後ろ指よ」
「馬鹿にされるわね」
「人間として評判を落として」
そうなってというのだ。
「タレントさんだとね」
「お仕事なくなるわよね」
「マイナスにしかならないわね、不倫って」
「自分にとってもね」
二人で話した、そして。
かな恵は右の人差し指を立ててこう言った。
「あれね」
「あれ?」
「そう、不倫はしない」
富美子に答えた。
「自分自身の為にもね」
「返って来るから」
「だからね、というかそれする位なら」
富美子にさらに話した。
「うちの明男みたいに」
「自分でっていうの」
「そうしたらね」
「いいのね」
「違うかしら」
「いや、その通りよ」
富美子はかな恵にその言葉通りの表情で答えた。
「そんなに不倫とか浮気したかったら」
「自分で、よね」
「明ちゃんみたいにね」
彼を仇名で呼んで話した。実は富美子達四人は彼のことをかな恵の弟として子供の頃から付き合いがあってこう呼ぶこともあるのだ。
「そうしたらね、っていうか」
「っていうか?」
「もうその場面見たの?」
「明男がそうしてる」
「その場面見たから言ってるの?」
「だからこの目ではね」
かな恵は正直に答えた。
「見てないけれど」
「状況証拠一杯あるのね」
「そうした漫画雑誌最近じゃ単行本とかアイドルのグラビアもあって」
そうしてというのだ。
「ゴミ箱にはね」
「ティッシュね」
「それもゴミ箱に一杯あるから」
「間違いないのね」
「その場面見てなくても」
自分の目でというのだ。
「確実にね」
「クロね」
「匂いもするし」
かな恵はこちらの話もした。
「それでね」
「そうなのね」
「ええ、けれどそれでね」
「自分で収めれば」
「浮気しないでしょ」
こう言うのだった。
「それでね」
「そうよね、罪にならないし」
それでとだ、留奈も言った。
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