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星河の覇皇

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第八十五部第三章 北京星系を見てその三十六

「考えてみるとな」
「手間暇もコストもかかり」
「かつ良心にも抵抗がある」
「そして明日は味方になるかも知れない相手も消す」
「リスクが多いですね」
「非常にな、だからな」
 それでというのだ。
「出来る限りだ」
「暗殺は行わない」
「その方がいいですね」
「やはり」
「どうしてもそうなりますね」
「そうだ、暗殺よりもだ」
 李は自分の考えをさらに話した。
「賄賂の方が遥かにだ」
「いいですね」
「だからこそですね」
「中央政府にも使う」
「そうしていきますね」
「是非な、そして中央政府もだ」
 彼等もというのだ。
「仕掛けて来る筈だ」
「賄賂をですね」
「そして他の工作も」
「そうしていきますね」
「必ずな、口では相手を批判しつつだ」
 そうしながらというのだ。
「手ではコインを見せる」
「それが連合の政治です」
「相手を批判しつつも引き込もうとする」
「買収をしてでも」
「そうした国ですね」
「我々がそうしようと考えてるならな」 
 それならというのだ。
「必然的にだ」
「相手もですね」
「そうしてくる」
「そのことを考えておくべきですね」
「当然のこととして」
「自分が考えることは相手も考える」
 同じことをというのだ。
「それも人間だからな」
「確かに」
「人間の考えは往々にして似るものです」
「こちらが賄賂を考えますと」
「相手もです」
「こちらが相手の二番目に弱いカードに一番強いカードをぶつける」
 今度は史記にある例えをこの時代にアレンジして話した。
「一番弱いカードには二番目に強いカードだ」
「そして相手の一番強いカードにはこちらの一番弱いカードですね」
「そうしてぶつけていけばです」
「二勝一敗となり」
「総合的にこちらの勝利となりますね」
「こちらがそう考えているならだ」
 それならというのだ。
「相手もだ」
「そう考えてですね」
「同じ様にぶつけようとする」
「その場合も有り得ますね」
「そうだ、そこまで考えてこそだ」 
 それでこそというのだ。
「ことは進めていける」
「相手のことも見て」
「そして考え」
「対することも大事ですね」
「あちらの一番弱いカードでもこちらの一番強いカードより上ならだ」
 その場合はというと。 
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