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夢幻水滸伝

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第三百二十四話 極寒の自然の中でその十四

「私としては、つまりです」
「周りのどの勢力ともですね」
「衝突したくない」
「では勢力拡大も」
「それも」
「出来ないです」
 エリカはこの現実を述べた。
「これ以上は」
「ではこのままです」
「一つの勢力としてですか」
「ことを進めていかれますか」
「そうするしかないかも。そやけど一人では」
 星の者がとだ、エリカは難しい顔で述べた。
「出来ることには限界があります」
「星の方でもですね」
「それにはですね」
「どうしても」
「そうです、勢力だけで見ましても」
 それでもというのだ。
「アラスカ州だけでは」
「はい、確かにです」
「出来ることに限度があります」
「この極北の州だけでは」
「どうしても」
「そやから今以上大きくなりたいですが」
 それでもというのだ。
「そうなることはです」
「難しいですね」
「今の我々は」
「左様ですね」
「そうです、どうしたものか」
 エリカはこれからのことを考えると難しい顔になるしかなかった、だがそんな彼女のところにだった。
 トウェインからの使者が来て彼の考えを話した、すると。
 エリカは真剣に考える顔になってだ、使者に答えた。
「その申し出受けます」
「そうしてくれますか」
「トウェインさんに伝えて下さい」
 その彼にというのだ。
「是非共」
「それでは」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「お話をしてそれから」
「そのうえで、ですか」
「決めさせてもらいます」
 こう使者に告げた。
「そのことをです」
「トウェイン様にですね」
「お伝え下さい」
「わかりました」
 使者もそれではと答えてだった。
 一旦ロサンゼルストウェインの本拠地であるその街に帰った。エリカはその使者を見送るとだった。
 マスターと市長にだ、こう言った。
「これで話が決まれば」
「それでいいですね」
「トウェイン様と共にやっていけれれば」
「はい、太平洋を通じてです」
 この大海をというのだ。
「あちらとつながって」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「ことを進められれば」
「それでよし」
「左様ですね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「この度は」
「ではですね」
「トウェイン様それにヘミングウェー様とですね」
「会います」
 確かな声で言い切った。
「近いうちに、ただ」
「若し会談が失敗すれば」
「お話がまとまらなければ」
「その時はトウェイン様は戦を選びます」 
 彼はというのだ。
「私達もあの人とです」
「戦うことになりますか」
「神星のあの方と」
「負けると思います」
 そうなった時はというのだ。
「ほんまに」
「勢力も大きいですし」
「兵力の差はかなりです」
「しかも水軍も強力です」
「カルフォルニア州からここまで攻められる位に」
「そう考えますと」
 どうかとだ、エリカは言うのだった。
「ここで、です」
「お話で、ですね」
「決めたいですね」
「平和に」
「出来れば」
「はい、私は別に覇権を求めてませんし」
 戦って頂点に立つ気はないというのだ、事実エリカはアメリカを自分の手で統一して治めようとは考えていない。アラスカ州までであるのだ。
 それでだ、マスターと市長に話した。
「ほなです」
「会談に向かわれ」
「そこでお考えも述べられて」
「それで、ですね」
「ことを収められますね」
「そうなる様にします」
 こう言って会談に赴いた、そして無事にことを収められたのだった。


第三百二十四話   完


                    2023・10・1 
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