ハッピークローバー
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第百五話 秋のイベントその十二
「凄い差だな」
「十八歳で結婚したそうだけれど」
「って弟さん十歳か」
「そうよ」
「洒落になってないな」
「それで弟さんといがみ合っていて」
権力闘争を繰り広げていたのだ。
「そこにカエサルさんが来て」
「カエサルさんと一緒になったんだな」
「弟さんと別れてね」
「それで殺してか」
「そうなのよ」
「色々突っ込みどころあるな」
明男は心から思って言った。
「十歳の弟さんと結婚してな」
「いがみ合っていてね」
「カエサルさんと一緒になってか」
「暗殺してその後はね」
「カエサルさん暗殺されてな」
「アントニウスさんとね」
「すげえな、っていうか実の兄弟姉妹で付き合ったりな」
弟としてあらためて言った。
「結婚とかな」
「明男は考えられないのね」
「どうしてだよ、姉ちゃんだってそうだよ」
「明男は弟でしょ」
かな恵は横にいる弟に何でもないといった顔で答えた。
「だったらね」
「それならか」
「別にね」
これといってというのだ。
「お付き合いするとかね」
「ないよな」
「弟は弟でしょ」
他の何でもないというのだ。
「それじゃあね」
「付き合うことはか」
「ないわ、考えたこともね」
「ないか」
「一度もね」
それこそというのだ。
「ないわ」
「そうだよな」
「成海っちいるし」
ここで彼の名も出した。
「尚更ね」
「俺はか」
「付き合うとか」
「考えないか」
「全然ね」
「そうだよな、本当に兄弟姉妹で付き合うとか」
それこそというのだ。
「ないな」
「ええ、というかあんた彼女さんは?」
「いないよ」
返答は一言だった。
「悪いかよ」
「いや、だったらそのうちね」
「作ればいいか」
「今いなくても」
それでもというのだ。
「後でね」
「出来ればいいか」
「そうでしょ」
こう言うのだった。
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