イベリス
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第百二十六話 言葉を受けてもその二
「そうです、応援しているチームが優勝すれば幸せですね」
「ヤクルトが優勝したら」
咲はヤクルトファンであることからこう答えた。
「幸せです」
「ですが他チームのファンの人にとっては」
「何でもないですね」
「むしろ嫌いなチームが優秀したならば」
その場合はというと。
「不幸になります」
「逆にですね」
「幸せはこの通りです」
「その人それぞれですね」
「自分が運がいいと思えば」
「運がよくて」
「主観に基づくものです」
幸せそして運はというのだ。
「ですから私は美味しいとです」
「紅茶を飲んでいつもですね」
「感じて」
そしてというのだ。
「言葉にも出しています」
「そういうことですね」
「そうなのです。まことにです」
「自分が美味しいと思えば」
「それでいいのです」
「幸せもですね」
「左様です、それでなのですが」
速水は先に右目を向けてこうも言った。
「小山さんは今幸せでしょうか」
「はい」
一言でだ、咲は速水に即座に答えた。
「とても」
「そう思われていますね」
「とても」
「それならです」
「私は幸せですか」
「そうです、ではそのままです」
「幸せでいることですか」
「その様にされて下さい」
咲に微笑んで話した。
「是非」
「そうさせてもらいます」
咲もそれではと答えた。
「私も」
「何があっても。時にはどうしても辛いこと悲しいこともあります」
「生きているとですね」
「そうなりますが」
それでもというのだ。
「それは一瞬のこととされて」
「それで、ですか」
「そのうえで」
それでというのだ。
「全体としてです」
「幸せでいることですね」
「その様に日々を過ごされて下さい」
「辛いこと悲しいことがあっても」
「その時は酔い潰れるまで飲んで」
酒、それをというのだ。
「そしてだれか信頼出来る人にお話して」
「吐き出すんですね」
「そうして一瞬で」
辛いこと、悲しいことをというのだ。
「忘れて」
「幸せに戻ることですね」
「そうされて下さい、前を向くことです」
「それが大事なんですね」
「そうです、それが出来ないなら」
それならというのだ。
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