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夢幻水滸伝

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第三百二十三話 異世界のシアトルでその十三

「そやけどです」
「勝てないですね」
「あの方には」
「そうだというのですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「やはり」
「そうですか、ではですね」
「あの方と戦になる」
「それは厄介なことですね」
「負けるのならば」
 それがもう明らかならというのだ。
「私もです」
「戦われますか」
「トウェイン様と」
「そうされますか」
「いえ」
 首を横に振っての返事だった。
「それはです」
「されないですか」
「では降られますか」
「戦になるのならば」
「戦になれば傷付く人が出ます、それに私は戦を好みません」 
 自分のこのことも言うのだった。
「そやからです」
「尚更ですか」
「戦はされへんですか」
「そうされますか」
「はい」
 まさにというのだ。
「そう考えています」
「そうですか、ではです」
「若し戦になるなら」
「降りますか」
「そうされますか」
「敗れるのがわかっているなら」
 それならというのだ。
「最初からです」
「降る」
「そうされますか」
「はい、ただ」
 それでもとだ、ヘミングウェーはここでは強い声で言った。
「若しトウェイン君が民に危害を加えるなら」
「その時は、ですか」
「戦われますか」
「そうされますか」
「彼はそうした人ではないですが」
 民に危害を加える様な者ではないというのだ。
「決して、ですが」
「若し、ですね」
「そうした方なら」
「そうであったなら」
「私は戦います」 
 降らずというのだ。
「そして何があってもです」
「民を守る」
「そうされますか」
「絶対に」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうします」
「そうですか、降られるのはですね」
「民が安全であるなら」
「そうであるならですね」
「私一人なら降っても最悪何処か別の場所に行けば」
 そうすればというのだ。
「やっていけます、ですが」
「民はその場にいます」
「そしてそこで暮らしています」
「容易にその場から離れられません」
「どうしても」
「ですから」
 それ故にというのだ。 
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