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お金の問題じゃない

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第二章

「レスキューは最初からです」
「考えていないか」
「僕には無理です」
 平野はここでも真面目な顔で答えた。
「ですから」
「そちらはいいか」
「はい、あの激しい訓練には耐えられなくて」
 レスキューになるそれにはというのだ。
「それになっても僕が危険な場所で誰かを助けられるか」
「無理か」
「そして僕自身も死にますので」
「それはならないか」
「自分でわかっているつもりです」
「なら地域手当だな、辺鄙なところでもいいか」
「あっ、僕読書とゲームが出来たらいいです」
 漫画にアニメにそれだとだ、勿論課金は絶対にしない。平野がゲームをするにあたって何があっても守ることだ。
「ですから」
「そうか、じゃあな」
「そちらでお願いします」
 こう言って彼はとある辺鄙なところに行って手当を貰える分収入が増えた、しかもそこでは特にお金を使う様な場所もなく。
「いやあ、いいよ」
「お金多く貰えてたまってか」
「最高の場所だよ」 
 今の勤務場所に出張で来た細川に話した。
「寮で衣食住保障されてるしね」
「そこでもお金使わないしか」
「いいよ、僕にとってはね」
「それは何よりだな、しかしレスキューは断ったんだな」
「そっちはお金の問題じゃなくてね」
 細川にもこう答えた。
「命の問題でね、命あってのお金だよ」
「それに命を救えないならか」
「お金貰っても仕方ないよ」
「そうした考えも持ってるんだな」
「うん、それでね」
 平野はさらに言った。
「暫くここにいて」
「お金貯めるか」
「それに勉強する時間もあるから」
 平野は笑ってだ、細川にこうも言った。
「資格とか昇進試験の勉強もね」
「出来るんだな」
「うん、基本忙しくないから」
「それはいいな、じゃあここに暫くか」
「いさせてもらうよ」
 こう言って平野は金を貯めていって趣味を満喫し勉強もしていった、そうして彼にとっては快適な勤務と生活をしていってだった。
 資格と昇進の勉強もしてそちらの結果も出した、特にお金も貯めることが出来て彼はそれからも辺鄙なところに好んで行った。そして貯金を増やしていったのだった。


お金の問題じゃない   完


                 2023・11・21 
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